甲子園でホームランを期待できるのは誰だ!? 灼熱の聖地を沸かせそうな注目のスラッガー

西尾典文

今春選抜で生まれた6本塁打のうち3本は、西日本短大付の選手によるものだった。4番を打つ佐藤は、春に続いて夏の大舞台でも豪快な一発を放てるか 【写真は共同】

 昨年春の低反発バット導入を境に、甲子園でのホームラン数が激減した。新基準バットになってから、一大会あたりの本数は3季連続で一桁に終わっている。高い技術とパワーがなければ、聖地のスタンドに放り込むのは難しいだろう。そんななかでこの夏、一発を期待できるのはどの選手か。ライターの西尾典文氏に右打者、左打者とも名前を挙げてもらった。

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小松大谷の田西はこの1年間で驚くほどパワーアップ

8月5日の開幕戦に登場する小松大谷の田西。パワーと飛距離は世代屈指だ 【YOJI-GEN】

 延長タイブレーク、球数制限など近年多くの改革が行われている高校野球。なかでもプレーに大きな影響を与えたのが、昨年春から導入された新基準の金属バットだ。

 従来のものよりも反発力が下がったことでホームラン数は激減。昨年春の選抜では3本、夏の甲子園では7本に終わった。これはいずれも金属バットが採用されて以降の最少の数字である。今年春の選抜ではわずかに上向いたものの、それでも6本だった。

 そんななかで、この夏の甲子園でホームランが期待できそうな選手は誰なのか。これまでのプレーぶりなどから探った。

 まず候補筆頭として名前を挙げたいのが田西称(小松大谷3年/三塁手)だ。昨年夏の甲子園でも活躍した左のスラッガーは、そこからの1年間で驚くほどパワーアップした。

 圧巻だったのが、4月に行われたU-18侍ジャパン候補強化合宿でのプレーぶりで、打撃練習では木製バットで柵越えを連発してみせた。今夏の石川大会でも場外ホームランを含む2本塁打を放っており、そのパワーと飛距離は世代でも屈指と言える。甲子園でも豪快な一発に期待だ。

横浜の左腕エースは県大会で3本塁打の打撃にも注目

横浜の奥村頼は安定感抜群のピッチングだけでなく、打撃も非凡なものがある。夏の神奈川大会では準決勝、決勝と大事な試合で計3本塁打 【写真は共同】

 実績という意味で田西以上の存在と言えるのが春夏連覇を狙う横浜の2人、阿部葉太(横浜3年/外野手)と奥村頼人(横浜3年/投手兼外野手)だ。

 阿部は今年春の選抜の沖縄尚学戦で、右中間の最も深い所へホームランを叩き込み大観衆を沸かせた。将来的にはリードオフマンというタイプの選手だが、たくましい体格を活かしたフルスイングは迫力十分で、長打力も申し分ない。夏の神奈川大会では厳しいマークのなかで5割近い打率を残し、準々決勝では逆転サヨナラタイムリーを放つなど、確実性の高さと勝負強さも天下一品だ。春に続いての一発も十分に期待できるだろう。

 一方の奥村頼は、エースでありながら打者としても高いポテンシャルを秘めている。選抜では全試合4番として出場してヒットを放ち、ホームランこそなかったものの4割近い打率をマーク。そしてこの夏の神奈川大会では準決勝の立花学園戦で2本、決勝の東海大相模戦でも1本と合計3本のホームランを放って、長打力を見せつけた。

 目立つのは巧みなリストワークで、ヘッドを走らせるのが上手く、軽く合わせたようでも飛距離が出る。引っ張るだけでなくセンターから左方向へも大きい当たりを打てるのも魅力だ。投手としてドラフト候補に挙げられているが、その打撃にもぜひ注目してもらいたい。

 また奥村頼と同じくサウスポーの坂本慎太郎(関東第一3年/投手兼外野手)も、小柄ながら抜群のミート力に加えて飛ばす力もあり、東東京大会では2本のホームランを放った。投打ともに注目の存在である。

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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