“いかにも”な海辺開催の全英女子オープン 日本勢17人参戦、原江里菜が考える優勝へのヒントは?
練習ラウンドで90を叩く
ものすごい剣幕で、同伴競技者が迫ってくる。
プロゴルファー・原江里菜はやむなく、グリーン上にマークした場所にボールを戻す。
間違いなく、しっかりと動かないように置いた。
そのはずが、ボールはカップに向かってするすると動き出した。
犯人は海辺の暴風だ。
傾斜も手伝って、どんどん加速する。カップを通り過ぎてなお転がる。
リプレースを求めてきたスーザン・ペターセンとクリスティ・カーが、それみたことかと拍手をする。
そして振り返りざま、いっそう強く大会側に抗議をする。これでもプレーを続けさせようっていう気なの?
競技委員の困り果てた横顔も忘れられない。
ほどなくして競技は止まり、スタートから3ホールほど進んでいたその日のプレーも無効となった。
2012年、イギリス・ロイヤルリバプールGCでの出来事。
それは原にとって、忘れられない全英女子の思い出だ。
競技委員が困り果てていた理由が分かった気がした。
選手間では、たったふたりで試合を止めた彼女たちのほうが風よりもすごい、と笑い話になっていた。
原にとって初めての全英女子オープンは、こうして第2日が中止となった。
「私にとって、本当に特別な経験でした。試合が止まる場面に立ち会ったこともそうですが、日本人選手同士で回った最初の練習ラウンドでは、全員が90を打ってしまったんですよ」
2025年の全英女子オープンは、ウェールズのロイヤルポースコールで行われる。
男女通じてメジャー初開催のコースだが、その特徴を少し調べただけでリンクスの記憶がよみがえってくる。
「本当に海辺のコースですよね。2023年に全英シニアオープンの会場になっていますが、出場した深堀圭一郎プロのコメントをみても、コース全体で海風にさらされる立地のようです」
「そうであれば、間違いなく難しい。男子に比べて、海辺のリンクス開催とは限らない女子の全英ですが、今回は『いかにも全英』という戦いになるんじゃないかと」