“いかにも”な海辺開催の全英女子オープン 日本勢17人参戦、原江里菜が考える優勝へのヒントは?

塩畑大輔

2012年の全英リコー女子オープンでティーショットを放つ原江里菜 【写真は共同】

 今年の女子メジャーの最終戦「2025 AIG女子オープン」が7月31日(木)に開幕する(U-NEXT独占ライブ配信)。日本からは、2019年に同大会を制した渋野日向子や今季好調の西郷真央、竹田麗央ら17人がエントリーする。今年は初のウェールズでの開催で、舞台は「ロイヤルポースコールGC」。リンクス特有の強風や長いラフが選手たちを悩ませる。大会を前に、2012年の「全英リコー女子オープン」に出場した原江里菜プロに、難コースに苦闘した当時の思い出や、今年注目の日本人プレーヤーについて話を聞いた。

2012年の全英女子オープン、強風によってボールが動いた状況について競技委員らと話し合う原江里菜 【Photo by Andrew Redington/Getty Images】

練習ラウンドで90を叩く

「すぐにボールを置いて!」

 ものすごい剣幕で、同伴競技者が迫ってくる。
 プロゴルファー・原江里菜はやむなく、グリーン上にマークした場所にボールを戻す。

 間違いなく、しっかりと動かないように置いた。
 そのはずが、ボールはカップに向かってするすると動き出した。

 犯人は海辺の暴風だ。
 傾斜も手伝って、どんどん加速する。カップを通り過ぎてなお転がる。

 リプレースを求めてきたスーザン・ペターセンとクリスティ・カーが、それみたことかと拍手をする。

 そして振り返りざま、いっそう強く大会側に抗議をする。これでもプレーを続けさせようっていう気なの?

 競技委員の困り果てた横顔も忘れられない。
 ほどなくして競技は止まり、スタートから3ホールほど進んでいたその日のプレーも無効となった。

 2012年、イギリス・ロイヤルリバプールGCでの出来事。
 それは原にとって、忘れられない全英女子の思い出だ。

今年はウェールズの「ロイヤルポースコールGC」で開催。強烈な海風が吹き荒れる 【Photo by Warren Little/Getty Images】

「確かにすごい暴風が、海から吹き付けていました。ただ、クラブハウスに戻って話を聞いたら、会場のロイヤルリバプールではこれくらいの風が吹くのは日常茶飯事、想定内ということで…」

 競技委員が困り果てていた理由が分かった気がした。
 選手間では、たったふたりで試合を止めた彼女たちのほうが風よりもすごい、と笑い話になっていた。

 原にとって初めての全英女子オープンは、こうして第2日が中止となった。

「私にとって、本当に特別な経験でした。試合が止まる場面に立ち会ったこともそうですが、日本人選手同士で回った最初の練習ラウンドでは、全員が90を打ってしまったんですよ」

 2025年の全英女子オープンは、ウェールズのロイヤルポースコールで行われる。
 男女通じてメジャー初開催のコースだが、その特徴を少し調べただけでリンクスの記憶がよみがえってくる。

「本当に海辺のコースですよね。2023年に全英シニアオープンの会場になっていますが、出場した深堀圭一郎プロのコメントをみても、コース全体で海風にさらされる立地のようです」

「そうであれば、間違いなく難しい。男子に比べて、海辺のリンクス開催とは限らない女子の全英ですが、今回は『いかにも全英』という戦いになるんじゃないかと」

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著者プロフィール

1977年4月2日茨城県笠間市生まれ。2002年に新卒で日刊スポーツ新聞社に入社。サッカーの浦和レッズや日本代表、男子ゴルフ、埼玉西武ライオンズなどの担当記者を務める。2017年にLINE NEWSに移籍し、トップページの編成やオリジナルコンテンツ企画を担当。note、グノシーをへて、2024年7月からU-NEXTに所属。

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