「戦うことが、生きる力になる」 横田真一、53歳の挑戦とその原動力

北村収

順天堂大学の小林弘幸教授から教わった“血流の話”で勝負強くなった

「小さな世界にまとまりたくない。昔から人と違うことをするのが好きなんです。医学部の修士課程を卒業したり、大学院に行ったり。同じプロゴルファーとしても、ちょっと変わったことをするのが自分の“生き様”だと思っています。そうじゃないと誰にも注目されない。注目されないと生活も広がらないし、プロゴルファーって一生食べていけるわけじゃないですから」

 そして順天堂大学の小林弘幸教授から学んだ話で、自身のゴルフが良くない勝負強くなったエピソードを紹介してくれた。

「『横田さん、結局、“血流”なんです。“血流”を良くすれば、仕事でもゴルフでも健康でも全てうまく行くんです』という話だけで、すごく調子が良くなりました。2010年のキヤノンオープンの時も石川遼くんとかとの争いに勝ったり、昨年の姫路オープンゴルフフェスティバルという試合でも5人のプレーオフで勝ったりと、そんなに巡ってこないけど、“ワンチャン”をつかんできたのは血流のイメージがあったからです」という。

 ここでは横田は闇雲に挑戦しているわけではないという事例として紹介しておこう。この血流や自律神経の話はこのコラムでは説明しきれないので、興味がある方は横田が数多く出版している本などを参考にしてほしい。

「迷わず行けよ、行けばわかるさ」――横田の挑戦はまだまだ続く

練習中、欧州では珍しいバットで素振りをしていると現地メディアが注目。にこやかに対応する横田 【北村収】

 欧州と日本の両シニアツアーでシードを獲ることが今季の目標だが、そのスケジュールは過酷だ。「日本は10試合出ないとシードにならない。欧州に出ながら10試合日本も出るだけで大変ですよ。そこを何とか両立させたい」と意気込む。

 そして横田は、もうひとつ想定している次の挑戦があることを吐露した。アメリカのチャンピオンズツアーだ。

「今年1月にトルコで行われたQTの時のゴルフができれば、チャンピオンズツアーのQTも通る可能性があると思います」
目は未来をまっすぐ見据えている。

 最後に、同世代へのメッセージを尋ねると、こう返ってきた。

「挑戦し続けたらいいよと思います。迷ったら、決めちゃえばいい。『ジョギングしたいなぁー』と思っている人は、東京マラソンでも、ハーフでもいいので、まずは“競技に出る”って決めることが大事。決めれば人は準備を始めるから。戦えということですよ」

 そしてインタビューの最後には、またしても人生の大先輩の言葉を引用した。

「『踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。 迷わず行けよ、行けばわかるさ』。このアントニオ猪木さんの言葉、その通りだと思いますよ」

 あえて“戦い”に飛び込むその姿は、同じ時代を生きるすべての人へのエールにもなっている。挑戦を止めない限り、人生はきっと何度でも開ける。横田真一の53歳の旅は、まだまだ続く。

2/2ページ

著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント