“笑顔と勝負強さ”で魅了する渋野日向子、英米記者からの評判は? 全英女子で再び脚光を浴びるか

北村収

今季も笑顔を見せてくれている渋野日向子 【Photo by Atsushi Tomura/Getty Images】

 今季最後のメジャーとなる全英(AIG)女子オープンが、7月31日(木)に開幕する。今年も多くの日本人選手が出場予定だが、やはり注目を集めるのは2019年大会を制した歴代チャンピオンのひとり渋野日向子だ。

無名だった渋野が、笑顔と人柄で世界を驚かせた

 2019年、メジャー初出場となった全英女子オープンで劇的な勝利を収めた渋野。当時は世界的には無名の存在だったが、そのプレーと人柄で一躍脚光を浴びた。

 渋野の勝利を現地で取材していた英国の女性スポーツライター、ルワイン・メア氏(デジタルマガジン『グローバル・ゴルフ・ポスト』の記者で、2025年にPGAオブアメリカからジャーナリストの生涯功労賞が与えられた)は、当時の渋野の印象をこう語る。

「彼女の陽気さに圧倒されましたね。とにかく、ずっと笑顔だったのが印象的でした」

 メア氏が渋野優勝当日に書いた記事では、最終18番ホールの2打目を打つ前の、渋野とキャディの信じられないような会話が紹介されていた。

「こんな場面でシャンク出したら恥ずかしいよね」

 渋野とキャディはこの会話で笑顔になった。これが最も緊張する場面にも関わらず笑顔だった理由だ。笑いが収まった後、渋野は高く打ち上げたショットでグリーンをとらえ、18フィートのバーディパットを沈めて優勝を決めた。全英(AIG)女子オープン優勝がかかった最終ホールの2打目にこんな軽口が出るのが凄いし、その大物ぶりは世界でも話題になった。

2019年全英(AIG)女子オープンで優勝を決めた直後の渋野 【Photo by David Cannon/Getty Images】

メジャーでこそ輝く実績。そしてファンの心をつかむ存在感

 その後も渋野は、メジャートーナメントで数々の印象的なプレーを見せてきた。2020年の全米女子オープン4位、2022年のシェブロン選手権4位、同年の全英(AIG)女子オープン3位、2024年の全米女子オープン2位、同年の全米女子プロでは7位。調子が上がらない今季も、全米女子オープンでは最終日途中まで優勝争いに絡み、7位に入った。

 『ゴルフ・マガジン』や『ニューヨーク・タイムズ』などに寄稿する米国ニューヨーク在住のフリーライター、ポール・ロジャー氏はこう語る。

「熱心な米国のゴルフファンは、エリンヒルズ(今年の全米女子オープンの会場)で再び渋野がメジャー大会の上位争いを繰り広げている姿を見て喜んでいました。彼女の明るい性格は日本だけでなくアメリカでも多くのファンを惹きつけています」

 さらにUSLPGAツアー全体の雰囲気と渋野の存在感について、こう指摘する。

「USLPGAの選手の多くは無表情でストイックな印象があるので、笑顔を見せたり、表現豊かな身振りをする選手はファンの心をつかむのです。渋野選手は足取りも軽やかで、あるホールではウェッジでチップインを沈めたあと、見事なお辞儀を披露してくれました」

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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