鮫島彩の目にE-1選手権での「チャレンジ」はどう映ったか? 国際大会での経験が選手たちの急成長につながる

塩畑大輔

中国戦で引き分け、優勝を逃したなでしこ。今大会の収穫と課題を鮫島彩が総括した 【写真は共同】

 WEリーグの選手のみで構成され、11名もの初招集選手が名を連ねた今大会のなでしこジャパン。チャレンジの場と位置づけられた大会で、選手たちは何を感じ、何を得たのか。そして、この経験は未来の代表定着へどう繋がっていくのでしょうか。かつて同じ立場で世界と戦った元日本女子代表の鮫島彩さんの目に、彼女たちのパフォーマンスはどう映ったのかを伺いました。

短期間での連携の難しさと、見えたチームの狙い

決勝の中国戦でパスを出す塩越柚歩。鮫島彩はチームの攻撃の狙いは伝わってきたと評価する 【写真は共同】

――今日の中国戦を振り返って

鮫島彩(以下、鮫島) 前半の試合運びが少しもったいなかったように感じました。特に守備の面。もう少し選手同士でよい距離感を保って、守備陣形をもっとコンパクトにできていれば、相手からボールを奪い切れたであろう場面が多くありました。前線の選手と後方の選手が少し分断されてしまっていたように感じます。ボールを取り切れさえすれば、そこからショートカウンターに繋げることもできたと思うので、少しもったいなかったかなと。

 一方で、狙いがはっきりしていてよいと感じる部分もありました。中国がハイラインで戦ってくることは試合前から分かっていたと思いますが、その背後を狙う意識でチーム全体がきちんと統一されているのは伝わってきました。招集されてからチームづくりに時間をかけられる感じではなかったと思いますが、その中でもやるべきことをやろうとしている姿が見えたのは収穫だったと思います。

チームとしても個人としてもチャレンジのできる大会

――大会全体を振り返って、なでしこジャパンにとってどのような機会になったか

鮫島 私が選手として出場していた時と一緒で、E-1選手権というのはチームとしても個人としても、いろいろチャレンジができる大会なのかなと思います。今回のなでしこジャパンも、ほぼWEリーグの選手だけで構成され、初招集の選手が11人もいました。まさにチャレンジだと感じました。

 今日の中国戦は試合展開的になかなか難しかったと思いますが、前の2試合では各々のストロングポイントをアピールできていた選手も多くいたと思います。

 それぞれの選手の特徴を知っている立場からすると、「もっと良いプレーを持っているのに」とか「ここのスペースがあった方が活きそうだな」と感じる部分もありました。やはり普段一緒にプレーしていない分、それぞれの特徴を100%活かしきることが難しい。それが、初招集の選手が多かったり、初めて一緒にプレーする選手が多いチームの特徴なんだろうなと思います。

国際大会の経験を持ち帰り、急成長する選手に期待

――チャレンジの意義はあったのか

鮫島 それはもちろんあります。この大会でうまくいくかどうかだけが、代表活動の意義ではないのかなと。一度、代表に呼ばれて国際大会を経験すると、その後の日々のトレーニングや試合で向き合う自身の課題のレベルが一つ上がります。「国際大会で結果を出すにはもっとこうしなきゃいけない」というような考え方になってくると思うんですね。

 そういった意味では、今回の経験をWEリーグに持ち帰って、そこから本当に急成長する選手が出てくるんじゃないか、という期待は持っています。今回すぐに代表に食い込んでいけるかどうかは監督次第ですが、この経験を通じて一気に伸びる選手は出てきてほしいし、出てくるんじゃないかなと思います。

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著者プロフィール

1977年4月2日茨城県笠間市生まれ。2002年に新卒で日刊スポーツ新聞社に入社。サッカーの浦和レッズや日本代表、男子ゴルフ、埼玉西武ライオンズなどの担当記者を務める。2017年にLINE NEWSに移籍し、トップページの編成やオリジナルコンテンツ企画を担当。note、グノシーをへて、2024年7月からU-NEXTに所属。

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