夏の甲子園、関東勢&近畿勢の牙城を崩すチームは現れるか? 2022年に日本一に輝いた東北の雄が候補筆頭
仙台育英の総合力は選抜上位校と比べても遜色ない
改めて、近年の夏の甲子園を振り返ってみると、1つの傾向が見えてくる。それは優勝校の大半が関東と近畿の代表校によって占められていることだ。2011年以降の13大会でこの2地区以外の代表校が優勝したケースは、2022年の仙台育英(宮城)だけである(2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大会中止)。
ちなみに2001年から2010年までの10年間では北海道と九州から2度、東海と四国からも1度、優勝校が生まれており、その間、関東は3度、近畿は1度だけと優勝校は分散していた。春の選抜大会についても同様の傾向が見られ、甲子園大会の優勝は2011年以降、関東と近畿の代表校による“寡占化”が進んだと言えるだろう。
しかしこの2地区以外でも、今年の夏の甲子園で上位進出、展開次第では優勝も狙えるだけの力を持ったチームがあることも確かだ。
その筆頭として挙がるのは、2022年夏の優勝校である仙台育英である。昨年秋は東北大会の準々決勝で敗れ選抜出場を逃したが、春は公式戦10連勝で見事に東北大会優勝を飾ってみせた。
チームの中心は旧チームから不動の正捕手であり、4番も任せられている川尻結大(3年)だ。上背はないものの逞しい体格で、正確で素早い送球とパンチ力のある打撃は高校生では上位だ。4月に行われたU-18侍ジャパン候補選手強化合宿にも選出された。
野手でもう1人注目なのが高田庵冬(3年)だ。須江航監督が「飛ばす力は歴代の選手でもナンバーワン」と話す大型スラッガーで、昨年秋、今年春の東北大会でもホームランを放っている。
投手陣も、140キロ台中盤のスピードがありドラフト候補にも挙げられる吉川陽大(3年)と、制球力が高く安定感抜群の井須大史(2年)の左腕2人を中心に層が厚い。さまざまな継投パターンで戦えるのは強みだ。
チームとしての総合力は選抜で上位に進出した高校と比べても遜色ないだけに、宮城大会を勝ち抜いて甲子園に出場することができれば、優勝候補の一角となりそうだ。
青森山田は投手も野手も力のある選手が揃う
昨年夏の甲子園ではベスト4入り。エースの関浩一郎、主砲の原田純希(ともに亜細亜大)は卒業したが、甲子園を経験したメンバーが多く残っている。春の選抜は初戦で沖縄尚学に敗れたものの、終盤に追い上げて地力があるところを見せ、春の県大会では県内のライバルである弘前学院聖愛、八戸学院光星を下して優勝を果たした。
チームの強みは、下山大昂(3年)、乕谷朔ノ助(3年)、菊池統磨(3年)とタイプの異なる3人の好投手がいることだ。選抜では継投のタイミングが遅れてビッグイニングを作られたのが響いたが、1人のエースに頼らずに戦うことができるのは大きい。
野手も旧チームからリードオフマンとして活躍している佐藤洸史郎(3年)や、大型の二遊間コンビである蝦名翔人(3年)と伊藤英司(3年)など、力のある選手が揃っている。
春の東北大会は準々決勝で仙台育英に敗れたものの、終盤まで接戦を演じた。仙台育英に続いて東北で2校目となる甲子園優勝も、十分狙えるチームという印象だ。