3冠を目指す横浜の前に立ちはだかる大きな「壁」 県内最大のライバル東海大相模も虎視眈々と全国制覇を狙う
夏勝つために必要なのは全員の「勝ちたい」という気持ち
秋の明治神宮大会、春のセンバツを制し、この夏に3冠を狙う横浜は、7月4日に大会前のオープン戦がすべて終了した。最後の相手は、村田浩明監督の母校でもある日本体育大。先発の織田翔希が日体大の上位打線に打ち込まれたが、為永皓、阿部葉太ら攻撃陣が奮起し、8-6で逆転勝ちを収めた。
試合後、村田監督はベンチ内で30分近いミーティングを開いた。試合には勝ったが、守備面でミスが目立ち、指揮官にとって納得のできる内容ではなかった。
「新チームからずっと作ってきたものが、最近はなかなか出せず、『ここで勝ちにいくよ』と大事にしていた大阪桐蔭、浦和学院戦で負け。口では『全員野球』と言っているけど、それができていないのが現状。選手がどう受け止めているか。いい薬になればと思います」
多くのライバル校が「打倒・横浜」で挑む夏になる。
「選手に言っているのは、『受けて立つのはやめよう。チャレンジしていこう』。東海大相模も強いですけど、神奈川にはほかにも強いチームがあるので、一戦一戦、相手を分析して、しっかりと向き合っていきたいです」
チーム全体を見ると、主力に復帰のメドが立ったのが大きい。5月上旬に太ももを肉離れした主将の阿部が6月下旬の練習試合で復帰。日体大戦ではDHで出場し、出塁のたびに特別ルールで臨時代走が送られたが、「本番は夏。今はまだ無理するところではないので」と村田監督は冷静に語る。
阿部は1年からレギュラーで出場。2年連続で夏の決勝の舞台に立ったが、1年夏(対慶応)は9回表、2年夏(対東海大相模)は8回裏に試合をひっくり返され、甲子園を逃した。
「夏勝つために必要なのは、全員の『勝ちたい』と思う気持ち。それをどれだけ前面に出して戦えるか」(阿部)
当然、東海大相模は意識する相手の1つになる。
「ずっと競い合ってきたライバルです。秋・春は何とか勝っているんですけど、夏の相模は全く違うチームだと思っています。自分たちも一戦ごとにレベルアップして、勝ち上がっていきたいです」
夏こそチームが勝つためのピッチングを見せたい
そして、最後のピースとなるのがエース番号をつける奥村頼人である。春に左足を肉離れしたため、慎重に調整を続けてきた。
「足はもう治っているんですけど、先のことを考えながら調整しています。村田監督から『夏のキーマンは奥村頼人』と言われていて、そこにはいろんなメッセージが込められていると思います。センバツでは優勝したんですけど、自分のピッチングができなかった悔しさしかなくて、夏こそチームが勝つためのピッチングを見せたいです」
東海大相模のエース福田拓翔とは、小学生のときから知る仲だ。
「福田がいたことで、成長できた部分もあります。自分は滋賀から神奈川に来て、神奈川の高校野球に育ててもらったと思っています。昨年、相模が甲子園ベスト8まで行って、相模を倒せれば上に行けると1つの基準にしてきました。『神奈川を制するものは全国を制す』という言葉の通り、神奈川を勝って、春夏連覇したいです」
連覇に向けた横浜の戦いは、7月11日から始まる。