クラブW杯で浦和と対戦する3チームを徹底解説 特長や中心選手、攻略法は?
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リーベルで最大の注目はR・マドリー入りが決まっている17歳
2024年のコパ・リベルタドーレスでは、準決勝でブラジルのアトレチコ・ミネイロにホーム&アウェーの合計スコア0-3という屈辱的な敗戦を喫したが、今年の大会はグループステージを首位通過。8月に行われるラウンド・オブ16で、パラグアイのリベルターと対戦することが決まっている。国内リーグではグループBで2位につけており、良好なチーム状態でクラブW杯に臨んでくる。
元アルゼンチン代表MFのマルセロ・ガジャルド監督が昨年から率いるチームは、4-3-3システムをベースにクリエイティブな攻撃を立て続けに繰り出して、積極的にゴールを狙うスタイルが特徴的だ。中盤から攻撃を操るのは39歳のエンソ・ペレス。2018年のロシアW杯までアルゼンチン代表でプレーした経験もある、百戦錬磨の司令塔だ。そこに抜群の機動力と正確な右足のキックを併せ持つコロンビア代表MFケビン・カスターニョが、ダイナミズムをもたらす。
最大の注目選手は、右ウイングを担う17歳のフランコ・マスタントゥオーノだ。先日のW杯予選でアルゼンチン代表デビューも飾ったが、リーベルでは完全な主力であり、チャンスの多くが彼の左足からもたらされると言っても過言ではない。ドリブルの打開力もさることながら、意外性のあるタイミングでラストパスやシュートを繰り出す。
この逸材にはスペインのレアル・マドリーから4500万ユーロ(約72億円)と言われるビッグオファーが届き、つい先日、今夏の移籍が決まったばかり。リーベルの選手として最後の大舞台となる今大会でどういった活躍を見せるのかは、世界のサッカーファンも興味深いだろう。
浦和レッズにとってもこの17歳は、最も警戒するべきキーマンとして、分析スタッフからマチェイ・スコルジャ監督や選手たちに情報が伝えられるはずだ。マスタントゥオーノと対峙する左サイドバックは浦和の“アキレス腱”とも言えるポジションだが、長沼洋一が起用されるにしても、欧州帰りの荻原拓也が入るにしても、重要な仕事を担うことになる。
そのマスタントゥオーノと全く違う特長を持ち、ゴールに迫ってくるのが左ウイングのファクンド・コリーディオ。ポジションはウイングだが、外側に張りつくのではなく幅広く動きながら、機を見たスプリントでゴール前に入り込んでいく。実はライバルのボカの下部組織出身。ルーツがあるイタリアのインテルに10代で青田買いされて、ベルギーのシント=トロイデンで経験を積んだ時期もあるが、ティグレへのレンタルという形で2022年1月にアルゼンチンに帰ってきた。
2023年夏に完全移籍したリーベルで評価を高めているが、同組に古巣のインテルが入ったことで、今大会への意気込みは人一倍強いはず。その前に組まれている浦和戦では、おそらく石原広教が右サイドバックに入り、コリーディオとマッチアップすることになるだろう。コリーディオはオフ・ザ・ボールでマークしにくい選手なので、石原にとっては1対1の局面で仕事をさせないことに加えて、周りの選手とのマークの受け渡しもポイントになる。
リーベルは流れのなかでの得点力だけでなく、質の高いセットプレーでも積極的にゴールを狙ってくる。浦和としては、自陣で与えたフリーキックやコーナーキックに要注意だ。キッカーは右利きのカスターニョと左利きのマスタントゥオーノ。特に後者は鋭く落ちるキックを持っているので、浦和は警戒する必要がある。おそらく守備ではギリギリの対応となり、結果的にセットプレーを与えてしまうシーンがあるはずで、しっかり準備しておきたい。