カーリングオールスターは懐かしい光景が続々? 「超攻撃型」を確約した7年ぶり再結成チーム、11年ぶり共闘の名コンビも

竹田聡一郎

2月に日本選手権に出場したスキップのうち8選手が参加する 【筆者撮影】

 「スポーツナビ オールスターカーリング2025」開幕まで1ヶ月を切った。歴代のオリンピアンをはじめ、日本選手権出場選手、カテゴリー別に日本代表のキャリアを持つ選手などが選出された日本カーリング史上初のイベントだ。

 公開された公式サイトには出場予定選手が載せられているが、既に公式SNSからチーム構成は発表されている。

 天才肌、感覚派として評される選手を集めた「チーム天才」や、パワースイープの発展と席巻を目論む筋肉集団「チームプロテイン」などが結成され、カーリング界に一定数存在する兄弟や姉妹を集めた「兄姉同盟 vs.弟妹連合」といった対戦が実現。バラエティに富んだ8カードが組まれた。

 車いすカーリングからは、3月に行われたミックスダブルスの世界選手権で金メダルを獲得し、来年のミラノ・コルティナダンペッツォパラリンピックに内定した小川亜希、中島洋治ペア(ともにease埼玉)と、5月の日本選手権にKiT CURLING CLUBのメンバーとして出場し3位に入賞した柏原一大、鏡裕輝、松田華奈、高橋宏美が参加。エキシビジョンマッチを戦うことが発表された。

 これにSNS上では「まさしくオールスター!!!!」、「やりたいことを具体化した感じ!」といった豪華メンバーへの意見や「混ぜるな危険感のあるチーム天然」などと、これまではライバルだった選手が同じユニホームを着ることへの期待が書き込まれた。

黄金、天才、天然、筋肉、元高校球児

チーム御代田の土屋海。黄金世代のジュニア王者でもあった 【筆者撮影】

 やはり注目されるのは、カーリング黄金世代と呼ばれる1991年と1992年生まれの選手を集めた「チーム’91’92」だ。今回は吉村紗也香、小野寺佳歩(フォルティウス)、土屋海(チーム御代田)、石垣真央(GRANDIR)の4名。残念ながらロコ・ソラーレの藤澤五月、吉田知那美、鈴木夕湖らは不参加だが、それでも錚々たるメンバーだろう。

 吉村と石垣はカーリングを始めたジュニア時代「WINS」からのチームメイトだ。小中高大学まで共に戦い、今回は2014年の札幌国際大卒業以来11年ぶりの共闘となる。「それぞれのスタイルがどう変化しているのかを感じながら、一緒に戦えるのがとても楽しみ」と石垣。吉村も「どんなカーリングになるのか(自分達にも分からないので)見守ってください」と言葉に力を込めた。

 また、吉村と土屋は北澤育恵(中部電力)、田中美咲(フィロシーク)の4選手による「チーム天才」としても出場する。「普段はみんなスキップとしてやっているので、まずは誰がどのポジションでプレーするのか注目してもらえたら」と吉村。吉村と初めて組む土屋も「初めてのチームなので今は『どうなるんだろう……』と思っていますが、とにかく楽しんでカーリングできれば」と笑顔を見せた。この黄金世代コンビと肩を並べる北澤と田中も1996年生まれの同い年だ。世代とチームを超えたドリームチームに「今はまだどんな感じになるのか想像できませんが、何かどこかで天才を感じさせられるような試合ができたら良いなと思います! 対戦相手が天然なので、面白い試合にしたいですね」と北澤は抱負を語った。

 その「チーム天然」を率いるのは、中部電力で北澤の相棒である中嶋星奈だ。中島未琴(北海道銀行)、栁澤李空、金井亜翠香(SC軽井沢クラブ)ら天真爛漫な若手をどう束ねるか。中嶋のリーダーシップという新境地が待たれる。

 天真爛漫な素材という意味では「チームプロテイン」に入った札幌国際大の工藤大輝もブレイク候補選手だ。スポーツの名門・青森山田高校の野球部出身で、札幌国際大に進学。スポーツ指導学科でトレーナーを目指す過程で、より競技を知る目的で初めてカーリングをプレーすると体幹の強さや力強いスイープを買われ選手として出場機会に恵まれた。今年1月にはイタリア・トリノでのワールドユニバーシティーゲームズのミックスダブルスに日本代表として抜擢。トップ選手への階段を駆け上がっている最中だ。オールスターの選出については「正直驚きましたが、会場全体が盛り上がるようなプレーを届けられるよう頑張ります」と本人。チームプロテインのプレーについては「上半身の筋肉をフルに使ったスイープで先輩方の石をどこまでも持っていきたいです!」と言い切った。

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著者プロフィール

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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