データ分析・二軍で光る男たち

【二軍で光る男たち】阪神はサード定位置を目指す若虎の競争激化 中日の育成2年目が選球眼活かし高出塁率

データスタジアム株式会社

2023年入団で2年目の百﨑蒼生は、チーム内でストレート打率2位と好調だ 【写真は共同】

 各球団のファームでは、若手やベテラン選手たちが一軍昇格を目指して奮闘している。今回は阪神、広島、中日のファームで一軍で活躍が期待される選手や支配下昇格を目指す選手の動向をデータから追っていきたい。

※表データはすべて2025年6月12日終了時点

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不調のリリーフ陣をカバーするピッチャーは現れるか

【データ提供:データスタジアム】

 今週は試合終盤での逆転負けが続いており、救援陣の整備が求められる阪神。ファームではビーズリーが奪三振率ランキングでトップに立った。今季は一軍で思うような成績を残せていないが、二軍では6試合に先発して防御率1.59と力を発揮している。リリーフ経験もあるだけに、役割を問わず一軍の力になれるだろう。2位には昨季支配下登録に復帰した佐藤蓮が入った。奪三振率こそ高い数字を残しているものの課題の制球難は克服できておらず、今後の成長に期待したいところ。3位にランクインしたのは、昨季勝ちパターンの一角として活躍したゲラ。ブルペンを支えてきた石井大智が離脱しているだけに、いち早く本来のピッチングを取り戻して一軍で躍動したい。

三塁の椅子を狙う若虎たち

【データ提供:データスタジアム】

 一軍では開幕から正三塁手を務めていた佐藤輝明が、5月下旬からは外野での起用となっている。現在、三塁は新助っ人のヘルナンデスが主に守っているが、ファームではストレートに強さを見せる若手がその座を虎視眈々(たんたん)と狙っている。チーム内でストレート打率1位を記録したのは、昨季まで日本海リーグでプレーしていた佐野大陽。ファームでも直球を確実に捉え、ヒットを重ねている。2位の百﨑蒼生も開幕から好調な打撃を見せており、3位の戸井零士も成長著しい。いずれも入団3年目以内の若手だが、リーグ首位を走るチームにあって、一軍の舞台でその名を轟(とどろ)かせる日もそう遠くはないかもしれない。

3年目のリリーフ左腕が抜群の投球を披露

【データ提供:データスタジアム】

 広島の二軍では、3年目の長谷部銀次が被打率で最も良い数字を残した。二軍で開幕から18戦連続無失点を記録し、5月31日に今季一軍初昇格。現状はビハインド時の起用だが、直近3登板はいずれも無失点に抑えている。結果を残し続けて重要な場面を任される存在になりたい。2位には遠藤淳志がランクイン。今季は救援での登板が続いていたが、5月中旬から先発での調整もしている。25日の中日戦では5回1安打無失点の投球を見せており、昇格に向けてさらなるアピールを重ねていきたい。3位に入ったのは松本竜也。ここまで17試合でマウンドに上がり、うち11試合でノーヒットピッチングを披露している。

二遊間候補の若手が打撃で存在感

【データ提供:データスタジアム】

 ここまで一軍の二遊間は主に菊池涼介と矢野雅哉が守っているが、打撃面で調子が上がっていない。そうした中、ファームでは若手が存在感を示している。スイング時にボールに当たった割合を示すコンタクト率で、チーム1位の前川誠太は91.0%という際立った数字を記録。打率も3割台をキープし、支配下登録に向けて与えられた出場機会で着実にアピールを続けている。2年目の佐藤啓介も昨季の83.9%から今季は86.0%に上昇。3位の韮澤雄也は打率こそ2割台前半ながら、バットコントロールの精度は高く、5月25日の中日戦では決勝打を放つなど徐々に調子を上げている。

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著者プロフィール

日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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