堂安らの活躍で高まる日本人選手の価値 来季は三笘や久保らもこぞってブンデスリーガに参戦!?
堂安は監督交代によって強みを前面に
日本人選手に限って言えば、非常に明暗の分かれるシーズンだった。
最終的に5位でシーズンを終えたフライブルクの堂安律は、キャリアハイの10ゴール・8アシストを記録した。昨季まで指揮官を務めたクリスティアン・シュトライヒ監督の下では守備に追われる時間が長かったが、今季からユリアン・シュスター監督に代わり、より攻撃面での貢献が求められることに。ボールが回ってこない難しい時期もあったものの、自身の強みである攻撃力を前面に押し出すスタイルに、これまで積み上げてきた守備力を見事にマッチさせ、確かな結果を残した。
堂安のハイパフォーマンスに続いたのは、板倉滉、佐野海舟、町野修斗の3人だ。ボルシア・メンヘングラッドバッハに移籍して3年目を迎えた板倉は、最終ラインの大黒柱として活躍。これまで以上に身体を気遣うようになり、大きな怪我もなくシーズンを走り続けると、チームが上位争いに加わったこともプラスに働いてプレークオリティが向上した。
日本代表の一員として参加したアジアカップでの不甲斐ないプレーを経て、“個”にフォーカスしながら試行錯誤を繰り返した成果が顕著に表れ、ブンデスリーガの強烈なストライカーを幾度となくシャットアウトしている。
怪我に苦しんだ伊藤、三好、チェイス
今季からマインツに加入した佐野は序盤戦こそ新天地でのプレーに臆する場面もあったが、ボー・ヘンリクセン監督の指導や、ボランチでコンビを組むドイツ代表MFナディーム・アミリの影響を受けて徐々にフィット。シーズンの中頃には中盤の柱として君臨し、最終的に総走行距離でリーグトップの数字を叩き出すなど、自身の力を証明するシーズンとなった。
ホルシュタイン・キールの町野はチームが降格の憂き目に遭うなかで、ゴールゲッターとしての才能を開花。前線から守備に奔走することを求められながらも、シーズン11得点を記録する立派な成績を残している。
彼らとは対照的に、難しいシーズンを過ごした選手たちもいる。大きな期待を背負ってバイエルンに加入した伊藤洋輝、イングランドのバーミンガム・シティから電撃移籍でボーフムに加わった三好康児は、シーズンを通してケガに苦しんだ。ピッチに立てば存在感を示したが、出場機会の少なさを踏まえると期待通りの成果を得られたとは言い難い。
また、前半戦で飛躍したシュツットガルトのチェイス・アンリも、後半戦に入ってケガに苦しみ、トップチームでの出場機会が激減。今季味わった悔しさを糧に、来季の成長に繋げてほしい。