NBAファイナルを前に激動の24-25シーズンを総括 ドンチッチの電撃トレードなど5つのトピックスを厳選

大橋哲也

昨年10月25日のロケッツ戦でNBAデビューを飾った河村は一定の評価を勝ち取った。渡米2年目の本契約はなるか 【Photo by Tim Warner/Getty Images】

 NBAの2024-25シーズンも、いよいよ6月5日(現地時間、以下同)から始まるNBAファイナルを残すのみとなった。オクラホマシティ・サンダー対インディアナ・ペイサーズという組み合わせは史上初で、サンダーはシアトル・スーパーソニックスと名乗っていた1979年以来、ペイサーズは球団史上初の優勝を目指す。その最終決戦を前に、ここでは開幕からの約7ヵ月をプレイバック。例年以上に予想外の出来事が多かったシーズンだが、とりわけ印象的な5つのトピックスを取り上げてみた。

トピックス①:河村勇輝のNBAデビュー

 24年10月25日、河村勇輝(メンフィス・グリズリーズ)がNBA公式戦のコートに立った。ヒューストン・ロケッツ戦の第4クォーター残り3分34秒に出番が回ってくると、得意のパスで1アシストを記録。名門ロサンゼルス・レイカーズで先発起用されている八村塁の存在が感覚を麻痺させてしまうが、リーグ最小の身長173センチ、そして日本国外でのプロ経験がないなかでの挑戦という点を鑑みれば、河村のNBAデビューは歴史的快挙と言っても過言ではないだろう。

 その後はグリズリーズとGリーグのメンフィス・ハッスルを行き来するハードな日々を過ごしながら、懸命に戦う姿勢や大胆不敵なプレーの数々でファンを魅了した。「We want Yuki」――2ウェイ契約選手の出番を求めるチャントをアリーナ中に響かせた事実が、河村がメンフィスに受け入れられた何よりの証拠である。

 河村とグリズリーズの契約は今季限り。本人は引き続きグリズリーズでのプレーを望みつつ、チーム編成や自分の力を活かせる環境、そして何より自分を必要としてくれるかどうかを重視すると語っている。今季を通して見せた勤勉さとNBA・Gリーグのフィジカルと戦術に素早くアジャストした調整力は、高く評価されているはず。渡米前は3年目で目指していた本契約を、2年目で実現しても決して不思議ではない。

トピックス②:史上初の親子同時出場

NBA史上初の親子共演を果たしたレブロンとブロニー。次男ブライスも含めたジェームズ一家3人の共演が実現する日も!? 【Photo by Emilee Chinn/Getty Images】

 河村のデビューと同じ頃、リーグ内で話題となっていたのがレブロン・ジェームズとブロニー・ジェームズによる史上初の親子同時出場だ。今季22年目、あらゆる偉業を成し遂げてきたレブロンにとって、叶えたかった夢の1つが息子との共演だった。それがついに、10月22日の開幕戦で実現したのだ。

 ブロニーの主戦場がGリーグだったこともあり、2人の同時出場はこのときの約2分40秒を含めてトータル3試合、約10分間にとどまった。しかしブロニーはこの1年で着実に成長を遂げ、来季はレイカーズのロスターに定着することが期待されている。レブロンは来季以降の現役続行についてまだ決めていないと言うが、大方の予想ではあと1~2年はプレーすると見られている。来季、2人の同時出場が当たり前の光景として見られる可能性は十分ある。

 さらに言えば、ブロニーより身長が約10センチ高い(198センチ)次男ブライスは、来季アリゾナ大学でプレーすることが決定しており、早ければ26年のドラフトにエントリーが可能だ。レブロン、ブロニー、ブライスの3人同時出場が叶う日を待ちわびているのは、ジェームズ一家だけではないだろう。

トピックス③:ドンチッチの電撃トレード

スポーツ界全体を揺るがしたドンチッチのトレード。ヒート、ウォリアーズなど4チームが絡んだバトラー(左)のトレードも霞んでしまう 【Photo by Michael Owens/Getty Images】

 2月2日、ダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチがレイカーズへ、何の前触れもなく放出されたこの一件は、NBAだけでなくスポーツ界全体の関心事となった。ドンチッチは、ダーク・ノビツキーという球団史上最高のレジェンドをも上回る存在となれる逸材だっただけに、ダラスのファンは大激怒。トレードを主導したニコ・ハリソンGMは糾弾され、シーズンチケット所有者からはキャンセルの申し出が続出した。

 今季は他にも、ジミー・バトラーのトレード(マイアミ・ヒート→ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、開幕直前のカール・アンソニー・タウンズ(ニューヨーク・ニックス)とジュリアス・ランドル(ミネソタ・ティンバーウルブズ)のトレードなど、例年であれば大きなインパクトを残したはずの案件もあったが、すべてがドンチッチの一件で霞んでしまったと言わざるを得ない。

 それでもウォリアーズ(カンファレンス準決勝進出)、ニックス、ウルブズ(ともにカンファレンス決勝進出)の結果を見れば、これらのトレードは成功だったと言えそうだ。

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著者プロフィール

1983年生まれ、栃木県出身。2006年から14年までバスケットボール専門誌『ダンクシュート』編集部に在籍。『DAZN』を経て、19年から楽天グループ株式会社が運営する『NBA Rakuten』のマーケティング&コンテンツ課に所属。『NBA Japan』、『Number』、『Sporting News』に寄稿経験あり。試合中はプレーよりも選手のシューズに目が行きがち

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