五輪メダリスト撃破で輝いた新星たち バドミントン日本ランキングサーキット

平野貴也

女子単:水津愛美、女王アン・セヨンの刺激で進化

女子単を制した水津愛美 【平野貴也】

 女子シングルスは、21歳の水津愛美(ACT SAIKYO)が初優勝を飾った。準決勝では、日本代表の郡司莉子(再春館製薬所)も撃破。そん色ない力を持つことを証明した。昨季まで日本B代表だったが、人数を絞った今季の代表からは漏れた。しかし、2月に韓国の釜山三星生命と合同練習を行ったことが「人生の分岐点、競技人生で一番の転機と言ってもいいくらい」の刺激になったという。当地の指導者と親交のある小宮山元監督が誘いを受けたことで実現した遠征では、パリ五輪女王で世界ランク1位のアン・セヨンらと練習。練習試合を2度行っただけでなく、対人練習に誘われ、直接アドバイスを受けた。

 「息が上がったときの対処法、背が高い選手との戦い方、パリ五輪の話なども教えてくれた」と目を輝かせた水津が特に参考にしたのが、スピードの使い方だ。持ち味のスピードでラリーを制圧するスタイルだが、ある程度ついて来られる相手と戦うと、カウンターで逆利用されたり、ガス欠に追い込まれたりする欠点があった。アンとの試合や練習から「相手を見て、ここでスピードを出そうというのが上手かった。まだ意識しないとできないけど、意識せずにできるようになれば、自分のレベルを上げられる」と改善に着手。試合運びにメリハリがついていた。社会人になってから国内では初タイトル。「代表から外れたけど、目標は変わらない。28年のロス五輪が大きな目標」と代表勢を追いかける姿勢を示した。

男子複:小川航/永渕が見せた、頭脳派ペアの下剋上

男子複を制した小川航汰(右)/永渕雄大。「J」ポーズで、所属先のジェイテクトをアピール 【平野貴也】

 男子ダブルスは、ともに23歳の小川航汰/永渕雄大(ジェイテクト)が混戦を制した。得意とする低くて速いラリーを展開。さらに、永渕が「後衛に回って、相手がどんな球を打つ可能性が高いか見ていた」と話したとおり、配球を予測して勝負所で畳みかける頭脳プレーが炸裂した。準々決勝では、チームメイトで日本代表の相澤桃李/佐野大輔も撃破。下剋上で存在を大きくアピールした。9月の全日本社会人選手権、12月の全日本総合選手権でも活躍できるか。今度は、マークされる中での戦いを突破できるか挑むことになる。

男子単:代表復帰狙う大林、常勝軍団の誇りを胸に戴冠

男子単を優勝した大林拓真 【平野貴也】

 男子シングルスは、日本代表経験者同士の決勝戦を25歳の大林拓真(トナミ運輸)が制した。今季、所属先のトナミ運輸が掲げた目標は、国内の全タイトル奪取。まずは、個人戦で大林が一つのタイトルを持ち帰った。「同級生の田中湧士(NTT東日本)は、昨年の国内大会を勝って、今年は代表で国際大会に出ている。見習わなきゃいけない」とかけていた思いを結実させた。今季は代表から外れたが、23年熊本マスターズジャパンで4強入りなど世界と戦える選手。国内での再競争から巻き返しを図る。

 各種目とも日本のトップを追いかける強い力を感じる結果。通称「ランサー」王者の飛躍が、日本の成長を加速させる。

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著者プロフィール

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

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