元中日チーフスカウト・米村明が明かす獲得秘話 ドラ4で郡司、ドラ5で岡林を指名した理由
「そういえば・・・・・・」と思い出して指名した岡林
1年目の後半からは一軍で試合に出たし、3年目にはレギュラーになり161安打で最多安打も獲った。こんなに早く活躍するとは思っていなかった。今は少し下手になっているけれど出始めの頃はインコースを回転でパーンと打てていた。これは良い選手になるなぁ、間違いなく2000本打つなぁと思いながら岡林の活躍ぶりに目を細めたものだった。
プロ1年目、岡林は私にこんなことを言ったことがあった。
「米村さん、僕は粘ってフォアボールを選んで盗塁します。僕は足があるからそれを生かせば良いんですよね?」
それを聞いてこいつはちょっと他の選手と違うな、自分の特徴をよく分かっているなと感心したし、野球に対して素直だから天狗にならずにそのまま伸びていくタイプかもしれないと思った。素直ではあるけれど、自分の考えをしっかり持っているから周りのコーチに何を言われても自分の芯の部分が揺るがない。その芯が段々と太い幹になっていっている。そんな印象を受ける。それはプロ野球選手として成功する人に共通するとても大事な部分。そういった部分までアマチュア時代に見抜くことはなかなか難しい部分ではあるのだけれど。
6位で獲った札幌創成の竹内龍臣。これは一年目の夏に右肘を怪我して二年目から育成契約になったが、怪我がなければ将来は一軍でバリバリやれたと思うしローテーションに入っていてもおかしくはない、それくらいのピッチャーだった。特に糸を引くような真っ直ぐが良かった。スピード自体は143、4キロくらいだが、バッターはそれ以上に速く見えたはずだ。
中学の頃に肘を痛めたことがあるというのは聞いていたけれどプロ入り時には問題はなかったし、この順位で獲るには十分な魅力があった。昨年限りで育成契約も切られたのはちょっともったいなかった気がした。
選手には失礼な言い方になってしまうが、下位指名、それも6位の高校生であれば獲る方は100か0のつもりで獲っている。もちろん「こいつはひょっとしたら・・・・・・」と思っているから獲るのだが。そうはならなかったときはその原因を考えて、それを我々スカウトは経験、キャリアにしていかなければいけない。