関東×関西「高校スポーツ最強地区はどっちだ!?」

高校スポーツ各競技の「最強地区」はどこだ!? 団体&個人球技から駅伝、武道系まで網羅

YOJI-GEN

昨年の全国高校駅伝では、男子が佐久長聖(左)、女子が長野東(右)と長野勢がアベック優勝。同県は駅伝競技における最強地区の1つだろう 【写真は共同】

 高校スポーツにはさまざまな競技があるが、競技によって「強い地域」は異なる。ここでは、団体球技や駅伝、学校対抗戦のある個人球技や武道系まで、主に近年の全国大会での実績をもとに各競技の「最強地区」を探った。

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ラグビーで神奈川と双璧をなす福岡は男子バスケ界も牽引

 高校スポーツを代表する大会といってまず挙がるのが、野球の「夏の甲子園」だろう。2000年以降の24大会(2020年はコロナの影響で中止)では、関東勢が9回、関西勢が8回、頂点に立っている。特に2011年以降は、仙台育英が東北勢初の日本一に輝いた2022年を除いて、全て関東か関西の高校が優勝しており、この両地区の実績が際立つ。都道府県別で見ると、大阪勢が最多の5回(大阪桐蔭が4回、履正社が1回)全国制覇を成し遂げている。

 かつては埼玉や静岡が隆盛を誇った高校サッカー選手権では、青森の近年の実績が飛び抜けている。同県代表として昨年度まで28年連続出場中の青森山田が、過去10大会で4強入り7回。そのうち優勝を4回飾り、準優勝は2回を数える。また複数の高校が「選手権」で好成績を残している県としては、千葉が挙がるだろう。2000年度以降、市立船橋が2回、流通経済大柏が1回優勝しており、準優勝は市立船橋が1回、流経大柏が昨年度の大会を含めて3回だ。

 ラグビーでは、桐蔭学園が直近6大会で花園優勝を4回果たしている神奈川、東福岡が2013年度から2023年度まで同大会で11年連続4強入りした(うち3回優勝)福岡が双璧か。また毎年3校が全国高校ラグビーに出場し、過去13年間で常翔学園(1回)、東海大仰星(4回)、大阪桐蔭(1回)の3校が日本一を勝ち取っている大阪勢の実績も特筆に値する。

 福岡はまた、男子バスケットボール界を牽引する存在でもある。NBA選手の河村勇輝らを輩出した福岡第一に加え、福岡大大濠もウインターカップの上位の常連で、2019年と2023年には両校が決勝の舞台で頂点を争った。一方、女子バスケでは京都精華学園がウインターカップ3連覇中とはいえ、やはり同大会優勝通算24回を誇る桜花学園の実績が際立つ愛知が「最強」か。岐阜女子が過去10年で優勝2回、準優勝3回という岐阜の戦績も素晴らしく、東海勢の強さが目立つ。

駅伝の「最強地区」は山陽エリアか

近年、相生学院が男女とも全国大会を何度も制している硬式テニスは、兵庫が最強地区と言えるか 【写真は共同】

 男子は駿台学園が3連覇中で、女子も昨年度の決勝を戦った共栄学園や下北沢成徳など、とりわけ東京勢が輝かしい戦績を誇る春高バレーを含め、“5大球技”とも言える既述の団体球技は野球を除いて年末年始に集大成となる全国大会が開催される。毎年師走に行われる全国高校駅伝も、同時期を代表するイベントのひとつだ。

 昨年の全国高校駅伝では、男子が佐久長聖、女子が長野東と、長野勢が男女アベック優勝を飾った。大会連覇を達成した佐久長聖は通算4回目の優勝で、長野東は2022年に続く日本一だった。この長野に加えて広島も、「駅伝・最強地区」の称号にふさわしい実績を誇る。男子の通算優勝回数が大会最多(11回)の世羅は、女子も全国制覇を2回果たしており、2020年には男女ダブル優勝の快挙を成し遂げた。

 さらに広島のお隣、岡山も忘れてはならない。男子は倉敷が過去9年で3回優勝。女子は興譲館が2005年と2010年に全国の頂点に立っている。1980~1990年代に男子の西脇工と報徳学園が都大路を沸かせたかつての王国・兵庫も含めれば、山陽エリアが「最強」と言えるかもしれない。

 その兵庫の高校が、10年ほど前から強さを見せつけているのが硬式テニスだ。相生学院が男女とも全国トップクラスの実力を誇り、特に男子は2012年の初優勝からインターハイの学校対抗を制すること4回。3大大会の1つである選抜大会では、2019年から5連覇を成し遂げた。女子も2015年、2018年、2023年にインハイで優勝している。

「相生学院には充実した練習施設と優れた指導者が揃っており、全国から集まってきた優秀な選手がともに刺激を受けながら成長できる環境が整っています。ジュニア年代にどれだけ集中的に練習に打ち込める環境が整っているか。将来的にプロやテニスの強豪大学を目指すような子は、そうした高校を選択して集まり、当然ながらそういう学校は優秀な成績を収めています」

 テニス専門誌の『スマッシュ』編集部のある編集者は、相生学院の強さをこう説明する。

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