パリ五輪後初の世界卓球で注目の若手選手は? ロスでのメダルを狙う新星たちも続々登場

月刊『卓球王国』

男子史上最年少で世界ランキング1位となった林詩棟 【写真:アフロ】

 5月17日からカタール・ドーハで行われている世界卓球選手権・個人戦。パリ五輪後、世界卓球は今回が初の開催。五輪というビッグイベントを終えて、卓球界も新たなサイクルに入ったが、今大会で飛躍し、ロサンゼルス五輪でのメダルを狙う注目の若手選手を取り上げていく。

東洋のハワイが生んだ「樊振東2世」

 まず、男子で最も注目されるのは20歳の林詩棟(中国)だろう。今年2月に男子では史上最年少の19歳で世界ランキング1位となり、以降もランキングのトップをキープしている。世界卓球シングルスには今回が初めての出場となるが、優勝候補の1人に挙げられる。

 林詩棟は「東洋のハワイ」として中国国内で絶大な人気を誇るリゾート地・海南省三亜市出身。2020年に国家2軍チームに入ると、メキメキと頭角を表して2023年の世界卓球では男子ダブルス・混合ダブルスに出場。混合ダブルスで3位に入賞した。

 168㎝と中国代表の中では小柄だが、どっしりとした体格で、ついたあだ名は「樊振東2世」。2021・2023年の世界卓球でシングルス2連覇を達成し、パリ五輪シングルスで金メダルを獲得した樊振東と体型が近いことからそう呼ばれるようになった。

 樊振東も2013年大会で中国男子では史上最年少となる16歳で世界卓球シングルスに出場。世界の頂点に立つのは時間の問題かと思われたが、初優勝は2021年大会となかなか頂点には手が届かなかった。「2世」の林詩棟は一気に頂点に駆け上がることができるか。

メガネの激情家は弟に負けじと存在感を見せるか?

パリ五輪後、ヨーロッパでビッグタイトルを獲得したA.ルブラン 【写真:アフロ】

 パリ五輪団体戦で銅メダルを獲得した21歳のアレクシス・ルブラン(フランス)も今大会でさらなるブレイクに期待がかかる1人。東京五輪後に弟のフェリックス・ルブランとともに、急激に実力を伸ばして世界トッププレーヤーの仲間入り。昨年の世界卓球・団体戦では兄弟でフランスを27年ぶりの決勝へと導いた。

 フェリックスはパリ五輪シングルスでも銅メダルを手にするなど、ここ最近は弟の活躍に押され気味だったアレクシスだが、昨秋のヨーロッパ選手権シングルスで初優勝。今年に入っても欧州ビッグタイトルの一つであるヨーロッパTOP16でも頂点に立った。

 アレクシスのプレーは豪快かつトリッキーで、次々に立ち位置、スイングを変えて様々なサービスを繰り出し、ラリーになればパワーを武器に攻めまくる。ガッツ溢れる戦いぶりもトレードマークで、ツボに入った時には中国選手をも打ち負かす勢いがある。シングルスだけでなく、フェリックスとの男子ダブルスも強く、今大会でも優勝候補の1ペアだ。

 韓国では18歳の呉晙誠に注目。2005年大会世界卓球シングルス3位で、五輪でも団体戦で2つのメダルを獲得した呉尚垠を父に持ち、母も元プロ選手という家系に生まれた呉晙誠。2023年には韓国選手権で史上最年少優勝を果たし、世界ランキングもこの2年ほどで200位台から20位台まで浮上。初の世界卓球代表をつかんだ。

 父の呉尚垠は男子韓国代表監督として今大会に帯同。「父子鷹」で初の世界卓球に挑むこととなる。現役時代は「アジアの大砲」と呼ばれた父譲りの馬力と、センスを感じさせるボールタッチでその名を世界に知らしめたい。

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