丸山茂樹プロが波乱の全米プロ初日を解説 「最終的には必ず実力者たちが優勝を争う」

塩畑大輔

今季メジャー2勝目を狙うロリー・マキロイは初日を3オーバーと出遅れた 【Photo by David Cannon/Getty Images】

 今季の海外メジャー第2戦「全米プロゴルフ選手権」(U-NEXT独占配信)が5月15日(木)に開幕した。注目は、メジャー初戦「マスターズ」でキャリアグランドスラムを達成したロリー・マキロイ。松山英樹は2017年、今回の開催地であるクエイルホロー・クラブで一時は単独首位に浮上するものの5位でホールアウトし、涙を流した。相性の良いコースで8年越しのVを狙う。丸山茂樹プロは、世界ランキング上位選手が軒並み出遅れた初日をどう見たか? 初日の感想と今後の展望を聞いた。

実力者たちの巻き返しに期待

丸山 「注目の選手たちが出遅れる展開ですね。マスターズでキャリアグランドスラムを達成したロリー・マキロイは、初日を終えた時点で3オーバーの98位でした」

 今大会の会場になっているクエイルホロー・クラブで開催されたツアー戦で4勝。通算スコアが102アンダーに達していることも話題になっていた。コースとの抜群の相性の良さに加えて、今季はここまで9試合に出場して3勝、トップ10が3回で、すべて20位以内と安定感もずば抜けていた。

丸山 「ここまでのスロースタートは誰も予測しなかったんじゃないでしょうか」

昨年覇者のザンダー・シャウフェレは1オーバーの60位タイで初日を終えた 【Photo by David Cannon/Getty Images】

 海外メジャー連勝も期待された大本命も苦しんだクエイルホロー・クラブの特徴とは。

丸山 「マキロイがダブルボギーをたたいてしまった16番パー4をはじめとして、このコースは終盤に池がらみのホールが続きます。前半もトラディショナルな林間コースの面白さ、難しさがありますが、終盤はそこに加えて曲げるとリカバリーが許されず即ペナルティ、という重圧が加わってきます」

 クエイルホロー・クラブが全米プロ選手権の会場になるのは8年ぶりだが、一方で長年にわたって通常のPGAツアー戦が開催されてきた。

丸山 「私もかつて何度もプレーしましたが、本当にショット力の高い選手じゃないと上位にいけないコースで、ここを制するものはいずれメジャーも制する、というイメージでした。私もここでいいゴルフができたときは本当にうれしかったし、自信にもなったのを思い出します」

 当時と比べて、コースは改修が重ねられた。今大会では530ヤード台と飛びぬけて距離の長いミドルホールが2つも配されている。

丸山 「まさに、メジャーを開催するのにふさわしいコース。あらためて、そう感じました。だからこそ、最終的にはメジャーで勝てる実力がある選手が上位に来るのだとも思います。マキロイだけでなく、2017年に同じクエイルホロー・クラブで開催された全米プロ選手権で優勝したジャスティン・トーマスや、前回大会の覇者であるザンダー・シャウフェレらも出遅れましたが、おそらく巻き返してくるでしょう。この週末はぜひ、彼らのプレーに注目していただきたいです」

松山英樹は自然と浮上してくるはず

世界トップクラスのアプローチ技術を持つ松山英樹は必ず浮上してくると丸山茂樹プロは見る 【Photo by David Cannon/Getty Images】

 松山英樹選手の巻き返しにも期待する。初日はショットに加えて、グリーン周りからのアプローチが思うようにいかず、ボギーを重ねて1オーバー60位と出遅れた。本来はスクランブリング率(パーオン失敗時のパーセーブ率)が今季ここまでツアー3位につけている。

丸山 「ショットはもちろん、英樹はアプローチも世界トップクラスの技術を持っています。マキロイやトーマス、シャウフェレらと同じように、距離が長くて難しいコースだからこそ、自然と浮上してくるのではないかと、私はみています」

初日で3アンダー9位と奮闘した久常涼 【Photo by Maddie Meyer/PGA of America/PGA of America via Getty Images】

 日本勢では久常涼選手が3アンダー9位といいスタートを切った。去年も初出場で日本勢トップの18位に入っていた。

丸山 「海外メジャーの中でも、特にPGAツアーらしいコースセッティングになる全米プロ選手権で活躍できるのは、アメリカでのプレーに順応できている証だと思います。上位に食い込む活躍を期待しています」
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著者プロフィール

1977年4月2日茨城県笠間市生まれ。2002年に新卒で日刊スポーツ新聞社に入社。サッカーの浦和レッズや日本代表、男子ゴルフ、埼玉西武ライオンズなどの担当記者を務める。2017年にLINE NEWSに移籍し、トップページの編成やオリジナルコンテンツ企画を担当。note、グノシーをへて、2024年7月からU-NEXTに所属。

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