予期していたマイナー降格 ナショナルズ・小笠原慎之介の現在「アピールしてD.C.に行きたい」
リハビリをしながらホテル生活の日々
「痩せたんですよ。220パウンド(99.8キロ)から、207(93.9キロ)パウンドに」
2月中旬から、ホテル生活。食事はクラブハウスで提供されるものか、電子レンジで温めて食べるものがほとんど。ただ、インタビューをしたホテルのプールサイド脇にバーベキューグリルがあるのをみて、「おっ」と声を上げた。
「こんなに長く泊まっているのに、知らなかった。これで(食事の)選択肢が増えそう」
普段から、食生活には気を使う。実はインタビューの直前も、代理人事務所の栄養担当とミーティングをしていた。
「アレルギーとかちょっと僕も知りたかったので、そういうのが、テストできるキットないのかなーみたいな感じで会話をしていて、まぁ、何を調べたいかでキットが変わってくる・・・そんなミーティングでした」
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「ここら辺にクレッシースポーツってあるんですけど、2年前、そこへ行った時も、事務所にトレーニングとか管轄している人がいるので、『おすすめのところありますか?』って聞いて。『どういうのをやりたいですか?』って聞かれたので、投げたいし、重りも上げたいし、動きも速く、切り返しもできたり、体を操れるようなところがいいですと言ったら、じゃあ、そこがいいねって。ブッキングもしてくれました」
インタビュー前日も代理人と会っていた。
「家とか本当に諸々、いろいろやってくれているので、良い事務所に入ったなぁと思っています」
嬉しかったチームメイトからの励ましの言葉
マイナー降格を伝えられたのは、3月21日の朝だった。
「スプリングトレーニングが終わる直前、僕が最後に投げた日の次の朝ですね。いつも通りミーティングをする予定で投手コーチのところに行ったら、監督室に呼ばれて、明日からマイナーに行ってもらうと」
予期はしていた?
「もちろん感じていました。『そろそろ結果を出さないとやばいな』っていうのはありましたし、それも逆に空回りしちゃって、いつも通り自分のプレーをしておけば、もしかしたら良かったのかなと思ったんですけど」
焦りが、悪循環につながった。
「僕も切羽詰まっていて、(対戦相手の苦手なコースなどが示されている)ヒートマップとか見るんですけど、それよりピッチクロックとかあって、いろいろ頭には入っているけど、名前も覚えなきゃいけないし、ミーティングする時間もないしみたいな感じだった。もう2時間早くレポートとかくれたら、ちょっと余裕持って見られたんだけどなって思ったんですけど」
時間的にも精神的にも余裕がなかった。そんな事情をしかし、球団が理解してくれていたのが救い。監督室で降格を伝えられたとき、マルチネス監督からは「ポジティブでいて欲しい」と声をかけられた。
「ビザの関係でスプリングトレーニングに入るのも遅れて、通訳も決まるのが遅かった。本当に慣れない環境で遅れが生じて、大変だったと思う」
そう言ってもらえただけでもありがたかったが、チームメイトの励ましも嬉しかった。クラブハウスに戻り、荷物をまとめていると、同じ先発のトレバー・ウィリアムズ、マッケンジー・ゴアらが集まって声をかけてくれた。
「結果も残せなかったし、悔しいだろうな」
「今はちょっと、ショックだろうな」
彼らからは、キャンプが始まってすぐに食事に誘われた。ウエストパームビーチにあるレストランで食事をしたが、こんなサプライズがあった。
「お前、今日は誕生日だろう?」
いや、小笠原の誕生日は10月である。
しかし、ウィリアムズらは店員に、「こいつ、今日が誕生日だから」と伝え、大きなチーズケーキに、小さな花火を立ててもらった。
歓迎会というより、誕生会としてカジュアルに迎えてくれた。
「なんか、チームメイトはいい人ばっかりです」