ASDの「顔つき」や「見た目」に共通点はあるの?【大人の発達障害】

MELOS -メロス-
発達障害「ASD(自閉スペクトラム症)」の人は、表情や顔の特徴に一定の傾向があると言われることがあります。しかし、それは単なる偏見なのでしょうか? それとも、実際に科学的根拠があるのでしょうか?

本記事では、ASDの人に特徴的とされる「顔つき」や見た目のサインについて、精神科専門医の監修のもと、解説していきます。監修は、医療法人社団燈心会ライトメンタルクリニックの清水 聖童先生です。

【MELOS】

ASDの人に特有の顔の特徴はあるのか?

科学的には、顔貌の特徴に関する研究は存在するものの、診断基準や個人識別に用いるべき明確な特徴は確立していません。

一部の研究では、ASD児に軽度の顔の形態的差異(顔幅や鼻幅の増大など)が報告されていますが、これらは成人における明確なデータに乏しく、また診断目的での使用には不適です。

「顔つき」よりも、表情や視線、社会的な非言語的行動がASDの傾向を示すポイントとされています。

ASDの人によく見られる「表情」とは

1. 表情の変化に乏しい
ASDの人は、表情の変化が少なく「感情が読み取りにくい」と感じられることがあります。

顔の表情生成に関する脳機能画像研究では、扁桃体や前頭前皮質の活動が定型発達の人と異なることが確認されています。

2. 視線が合わない、または視線が固定されている
視線回避は、社交的不安や顔知覚回路の神経活動の違いに関連しています。

3. 場にそぐわない笑顔や笑い
社会的状況の解釈の困難さが背景にあり、社会的手がかりに基づく適切な表情反応が難しい場合があります。

なぜそうした表情や視線の特性が生じるのか

感情表現の神経ネットワーク(扁桃体・前頭前皮質など)の違いや、社会的認知の困難が主な要因とされています。

幼少期の経験や学習不足、感覚過敏・鈍麻といった感覚処理の違いも、これらの特性に影響を与えます。

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