飛距離性能は“別格”!? キャロウェイ「エリート ミニ ドライバー」の前作からの進化を解説

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キャロウェイのエリートシリーズから、待望のミニドライバーが発売されました。そこで今回は、ミニドライバーをこよなく愛するクラブフィッターの小倉勇人さんに、最新のエリート ミニ ドライバーと前作パラダイム Ai SMOKE Ti340 MINI ドライバーを比較しつつ、その特徴や進化について詳しく解説していただきます。

エリート ミニ ドライバーの性能と特徴

ミニドライバーというジャンルは、ここ3〜4年で一過性のブームに終わるかと思いきや、意外にも人気が継続しています。

さらに今年は、過去最大数とも言われるほどのミニドライバーが登場する見込みで、まさにミニドライバーの当たり年となりそうです。その先陣を切って今年最初に発売されたのが、エリート ミニドライバーです。

キャロウェイは、前作のPARADYM Ai SMOKEシリーズでもTi 340 MINI ドライバーを発売していましたが、今回は新ブランドのエリートから、改めてミニドライバーを市場に投入しました。

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ミニドライバーをこよなく愛する私にとって、最新モデルがどれほど進化したのかは非常に関心の高いところで、個人的にも多角的に情報を集めています。

特筆すべき進化点は、やはりフェース面でしょう。前作のAi SMOKE ミニドライバーもAI設計のフェースを採用していましたが、今作ではミスヒット時の補正範囲がさらに広がった「Ai10x FACE」を搭載しています。

この「Ai10x FACE」は、エリートドライバーと同様に、実際のゴルファーのスイングデータをAIに学習させて開発された画期的なテクノロジーです。

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さらに注目すべきは、クラウン部分に採用されたサーモフォージドカーボンです。

このカーボン素材は、航空宇宙分野でも使用されるほどの高品質なものであり、その採用によってクラブヘッドの重量配分が最適化されました。結果として、ゴルファーが理想とするスピン量や打ち出し角の実現にも大きく貢献しているのです。

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続いてウェイトシステム。前作のAi SMOKE ミニドライバーでは、ヘッドの前後に配置されたウェイトを入れ替えることで弾道調整を行う仕様でした。

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一方、今作のエリート ミニ ドライバーでは、ヘッド後方に設けられたウェイトポート内でウェイトのポジションを調整することで、ヘッドのつかまり具合もコントロールできるようになりました。これにより、セッティングの自由度がさらに向上しています。

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ネック部分にも弾道調整機能が搭載されているため、プレーヤーはロフト角やライ角を微調整し、より最適な弾道へと近づけることが可能です。これらの多彩な調整機能と、Ai10x FACEによる高いフェースの寛容性が組み合わさることで、ミスヒットに対する補正能力も強化されています。

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前作モデルAi SMOKEではソール全体がチタン製でしたが、今作ではソールの一部にカーボン素材が採用されました。余剰重量をより効果的に再配置できるようになり、クラブ性能を追求する上での設計自由度が向上しています。

ヘッド体積は前作同様の340ccを維持しつつも、細部の構造設計やフェーステクノロジーなど、多岐にわたる改良が施されました。もはや前作とは一線を画す、大幅に進化したクラブと言えるでしょう。

エリート ミニ ドライバーを試打した印象

私は以前、前作のAi SMOKE Ti340 MINIの11.5°と13.5°の両方をいろいろといじった経験があります。その結論として、ミニドライバーとしての基本性能は非常に高いものだと感じました。

ミニドライバーはドライバーより飛ばず、曲がらず、スプーンより飛ぶ。そしてコントロールしやすい。飛距離性能はドライバーとスプーンの中間でコントロールしやすい位置づけのクラブです。

その点において、Ai SMOKE Ti340 MINIは求められる性能を十分に満たしており、特にオフセンターヒット時でも弾道のばらつきが少なく、狙った方向へ打ち出しやすいという特性は、非常に秀逸でした。

しかし、今回エリート ミニドライバーを試打した感触では、その飛距離性能が前作をさらに上回っているという印象を受けます。それだけに、個人的にはワクワクします。このエリート ミニドライバーは、まさに高い飛距離性能を秘めたクラブと言ってよいでしょう。

私自身はミニドライバーを、その本来想定されている一般的な使われ方とは少し異なるアプローチで活用しています。そうした独自の視点から見ても、今回のエリート ミニドライバーは、通常のドライバーに匹敵するほどの飛距離性能をしっかりと備えつつ、ミニドライバーならではの利点も併せ持った、非常に魅力的なクラブに仕上がっているというのが率直な感想です。

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エリート ミニドライバーは、名称こそ「ミニ」ですが、実際に構えてみるとヘッドの投影面積がしっかりと確保されており、全く小ささを感じさせない点も魅力です。

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ヘッドの「顔つき」にも興味深い違いが見られます。前作のAi SMOKE ミニドライバーは光沢のあるグロス仕上げのカーボンでしたが、今作のエリート ミニドライバーでは落ち着いたマット系に変更されています。ヘッド形状そのものに大きな差異はないものの、この仕上げの違いが影響してか、個人的にはエリート ミニドライバーの方がより自然に構えやすく感じられました。

ただ、エリート ミニ ドライバーが前作から最も顕著な進歩を遂げたのは何かと問われれば、それはやはり飛距離性能でしょう。

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もちろん今回のエリート ミニ ドライバーも購入済みです。前作で使用していたシャフトがそのまま活用できるため、それを使って私自身の好みに合わせた長尺仕様に仕上げてみるのも面白いだろうと思っています。

今回のエリート ミニドライバーは、チューニングポートのウェイトを取り外した状態でもヘッドのバランスが取りやすい設計になっており、しかもこのウェイトは前作のものと互換性があるのです。今回のエリート ミニドライバーも、自分なりに存分にカスタムを施して楽しむつもりです。

一般的にミニドライバーは、ただ力任せに振り回して飛距離を稼ぐクラブとは一線を画す存在です。しかし、ミニドライバーというカテゴリーにおけるクラブとしての総合的な完成度は、前作から比較して格段に向上したと断言して良いでしょう。

これまでミニドライバーにあまり触れる機会がなかったという方にも、ぜひ一度、このエリート ミニドライバーを試打していただきたいです。標準的なドライバーよりもやや短く、それでいて安心感のあるコンパクトなヘッドが、普段使っているドライバーと比較して振り心地にどのような違いがあるのか、その新鮮な感覚をご自身で確かめていただきたいです。

もし、このエリート ミニドライバーを驚くほどスムーズに、そして気持ちよく振り切れると感じられたなら、それはもしかすると、現在ご使用のドライバーの長さがご自身にとって最適ではないかもしれませんし、大型ヘッドがスイングのタイミングに何らかの影響を与えているのかもしれません。

エリート ミニドライバーを実際に購入するかどうかは、もちろんご自身次第。しかし、このクラブを試すことが、ご自身のドライバー選びやクラブセッティング全体を見直す上で、思いがけない発見や貴重なヒントをもたらしてくれる可能性は大いにあります。

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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