バウアーが気にかける大谷翔平の投手復帰時の変化 佐々木朗希の4シームの改善点も提示「自分だったら……」
バウアーが指摘する佐々木朗希の改善点
佐々木は昨年まで日本で投げていたので、そうした軌道データは非公開。キャンプでのデータは一部公開されていたが、実際のところ、アリゾナ州でのデータは空気が乾燥し、ボールも滑るので、変化量も含め、参考程度だ。
佐々木の軌道データが本当の意味で明らかになったのは、インタビュー前日に行われたカブス戦で登板したとき。ソースとしてはそこしかなかったが、バウアーはしっかりと数値を把握していた。気になる投手のデータを確認することは、彼にとって食事をするのと同じぐらい当たり前のことなのだ。
そして、「回転数を落とした方が、いい球になる」と、バウアーは即座に改善点を指摘。「自分だったら少しカットさせて縫い目の影響を利用して沈ませる」と具体的に言及し、「100マイルか98マイルの球速で、回転数が1800回転で縦の変化量が2インチなら すごい真っ直ぐになる」と続けたのだった。
数字を見ただけでそう考えてしまうのは、彼に染みついた性(さが)か。それがまさにピッチングデザインの本質でもあり、確かに佐々木の4シームは速いが、軌道そのものは平凡。空振り率がわずか8.9%しかないことが、それを裏付ける。
ならばどうするか?ということになるが、バウアーは、すぐさま選択肢を提示してみせた。
おそらく、ドジャースも気づいているはず。マイナーの投手コーディネーターを務めるロブ・ヒルはかつてドライブライン・ベースボールでトレーナーとして働き、バウアーとも一緒にピッチデザインを行ってきた。彼なら的確なアドバイスを与えられるはずだが、同じピッチデザインを得意とするコナー・マクギネス投手コーチ補佐は、「それは、まだ先になる」と話した。
「今はフォームの再現性を高め、制球を安定させることが優先だから」
球速を犠牲にしてでも、今はそこに重点を置いているよう。
ちなみに山本についてバウアーは、「いずれ、サイ・ヤング賞を取る」という話を2月の段階でしていた。
さすがにまだ早いが、4月を終えた時点で、山本は同賞の最有力候補となっている。
(企画構成:スリーライト)