バウアーが気にかける大谷翔平の投手復帰時の変化 佐々木朗希の4シームの改善点も提示「自分だったら……」
復帰時の投手・大谷はどう変化している?
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3本目の動画で、リリースポイントの“ボール3個分”理論が出てくる。これは、スプリットとスイーパーを両立できるのか、という質問に対する答えだが、仮に同じリリースポイントで投げるなら、それは両立させにくい。高い位置から投げれば、スプリットはストンと落ちる。一方でスイーパーを横に曲げることは難しくなるからだ。それはバウアーも認めている。
しかし、「両立させられる」と彼は言う。
どうするのか?
「ボール3個分の範囲でリリースポイントを変える分には、ハイスピードカメラじゃないと(違いは)判別できない」とのこと。直径ボール3つ分(約22センチ)の球体をイメージし、その範囲内でリリースポイントが変化する限り、「打者はそこから球種を見抜くことは不可能」なのだという。
なぜこの質問をしたかだが、今の大谷が近いうちに直面する課題だからだ。
前回、大谷の4シームの“質”について取り上げた。
となると、スプリットを落としやすいアームアングルになっているということなので、再現性が低下し、配球配分が減っていたスプリットの比率が上がるのではないか、という仮説が立てられる。ただその場合、スイーパーはどうなるのか? 以前と同じような軌道のスイーパーを投げられるのか? 大谷は元来、スライダー投手である。高校の頃から、スライダーを磨いてきた。ここまで極めた、打者が手元で浮くと感じるスイーパーを諦めるのか?
もちろんまだリハビリ段階であり、これからライブBPなど打者と対戦するようになった場合、どうリリースポイントが変化するかわからないが、このままなら真っ直ぐの回転効率は上がり、4シームで空振りを奪えるようになる。スプリットも落ちる。それは間違いなくポジティブな変化だが、スイーパーがいわゆる“縦スラ”になってしまうかもしれない。
バウアー自身、その2球種を投げるだけに、どう投げ分けているのか、という質問ではあったものの、彼には誰のことが念頭にあるのか、わかっていたようだ。こちらが名前を出すまでもなくその後、自然と話が大谷の体の使い方になった。はっきり明言しなかったものの、彼の目には大谷のフォームで気になるところがあるようだ。
復帰時に大谷は、どんなメカニックで投げ、スプリットと回転効率の高い4シーム、そしてスイーパーを両立させるのか。彼なりの工夫が、興味深い。