“氷上のエンターテイナー”友野一希、五輪シーズンへ新ショートを初披露 プログラムに込めた戦略と思い
プログラムの準備を終え、気持ちは来季へ
2年ぶりの出演となるプリンスアイスワールドについて、友野は「大ファン」だと語った。出演者でありながら、観られる部分は全部観ているのだという。
「たくさんいろんなショーに出たからこそ分かる、(プリンスアースワールドでの)群舞でのチームの一体感。さらにミュージカルがテーマになってから、それぞれのスケーターの個性にスポットが当たるような演技も多いです。ゲストである、トップスケーターの皆さんの演技も楽しめます。初めて見るお客さんも、スケートが大好きな皆さんも、全員が楽しめるアイスショーになっているかなと思います。今回またプリンスに出られて、自分自身も出演しながら楽しめています。残りの公演でもいい演技をして、さらにチームの皆さんの演技も楽しみたい」
そんな友野を、今公演で共演する2006年トリノ五輪金メダリスト・荒川静香は「ベテランの表現者」と評する。
「限りなくプロに近いエンターテイナーであり競技者でもあって、今本当に経験も技術も表現も、すべてが高いところにあると思う。おそらく次のオリンピックシーズンが集大成にさしかかっていくことを考えると、すべてのエネルギーを注ぎ込めるように、オフの時間も充実させていってほしいなと。オフの時間を如何に充実させられたかが、シーズンにかかわっていくと思うので」
友野自身「もう間違いなく、大切なシーズンになってきます」と力を込める。
「自分の中で、『すべてをかけて臨みたいな』と思っているシーズンなので。早い段階からショート・フリーも振付ができたので、しっかり準備をして、自分の気持ちはしっかり次のシーズンに向かっています」
今公演では、新ショートを滑り込みたいという。
「僕は、シーズンのスタートが少し遅れたりすることが多いので、そういったことがないように。グランプリシリーズから照準を合わせられるように、競技プログラムをこのショーでどんどん披露して『しっかり体を動かしていこう』という気持ちです」
今公演のフィナーレで、友野はショートで跳んだトリプルアクセルに再度挑み、着氷させる意地をみせた。浪速のエンターテイナーは、競技者としての覚悟を示す五輪シーズンを迎えようとしている。