35歳で“悲願”を達成! マスターズVのマキロイと2022年W杯を制したメッシの共通点、心を動かすスポーツの力とは
実に11年ぶりのメジャー制覇。数々の惜敗を重ね、心折れそうな瞬間を乗り越えてつかんだ勝利は、特別な意味を持っていた。その姿は、ある世界的アスリートの歩みにも重なる。2022年、カタールW杯で優勝を果たしたサッカー界の至宝、リオネル・メッシだ。
メジャー制覇から遠ざかっていた天才、ローリー・マキロイ
しかし2014年に全英オープンを制してからが、本当に長い道のりだった。マスターズどころかメジャーに勝てなくなってしまったのだ。聖地セントアンドリュースで開催された2022年全英オープンでは首位タイで最終日を迎えながらスコアを伸ばせず3位に終わった。2024年全米オープンでは最終日の16番ホールで60センチのパットを、最終の18番で1.2メートルのパットを外しブライソン・デシャンボーに僅差で敗れて2位。ビッグタイトル目前で幾度も涙を飲んできた。
キャディの一言でリセットし、プレーオフを制して悲願を達成
しかし、2番ホールのティーに向かう途中、数年前にジョン・ラームが初日に1番でダボを叩きながら優勝したことを思い出したマキロイは、「このダブルボギーで逆に緊張がほぐれた」とポジティブに切り替えることができた。
そこからの巻き返しはさすがだった。3番、4番、9番、10番でバーディを奪い、一時は2位に5打差をつける独走状態に。しかし、またしても悪夢の再現かと思われる“まさかのミスショット”が起こった。13番(Par5)での3打目はピンまで82ヤード。難しいショットではなかったが、クリークに吸い込まれた。このホールをダブルボギーとし、4組前のジャスティン・ローズと11アンダーで並んだ。ローズはその後1つ伸ばし、12アンダーでホールアウト。マキロイは15番でバーディを奪うと、17番でもバーディを奪い13アンダーとして、1打差で最終ホールを迎えた。
パーなら悲願達成だったが、18番の2打目をバンカーに入れてしまった。1.5メートルに寄せたが、そのパーパットを外してプレーオフに突入した。落ち込む場面だったがキャディの一言がマキロイを救った。「なあ、週の始まり(月曜)に“プレーオフに行けるよ”って言われたら、それはOKだろ?」と声をかけられたという。マキロイも「確かにその通り」と思い、気持ちがリセットできた。
21歳で惜しくも逃したグリーンジャケットを、35歳でついにその身にまとうことができた。