【打ち比べ検証】PINGの特殊ウェッジ「ChipR」「BunkR」は本当に使える?普通のウェッジと比べてみた

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2025年、PINGからバンカー専用ウェッジ「BunkR(バンカー)」が発売されました。今回は、同じくPINGから発売された性能特化型ウェッジ「ChipR(チッパー)」と「BunkR」について、クラブフィッターの小倉勇人さんに試打していただき、それぞれの特徴や使い方を解説していただきました。

PINGの性能特化型ウェッジ「ChipR」と「BunkR」

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今回、PINGから「BunkR(バンカー)」というクラブが発売されました。PINGは2022年7月にも、その名が示す通りのクラブ「ChipR(チッパー)」、すなわちアプローチで使えるランニングウェッジを発売し、話題となりました。

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そして今回、またしてもそのものずばりの名前を持つ「BunkR(バンカー)」、つまりバンカーショットで使えるサンドウェッジがPINGから登場しました。

このようなバンカー専用クラブは、バンカーショットが苦手なアマチュアゴルファーにとっては非常に有効な選択肢となるでしょう。一般的なウェッジとの違いや、それぞれの打ち方について解説していきたいと思います。

普通のs159ウェッジの場合

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まず試打するのは、PINGの一般的なサンドウェッジであるs159ウェッジ(58°Sグラインド)です。

このような通常のウェッジでは、通常のアプローチとは異なり、バンカー専用の少し特殊なテクニックが求められます。特に大げさな動きをするわけではありませんが、ソールをより効果的に使うためには、アドレス(構え)と打つ際のポイントがいくつか存在します。

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私はバンカーで細かくコントロールするのが苦手なため、わりと大ざっぱに打つことが多いです。通常のウェッジでバンカーから打つ場合は、ハンドファーストにならないよう、シャフトが垂直になるか、ややハンドレイトになるように構え、フェースを少し開いて打ちます。一度打ってみます。

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非常に良いウェッジです。しかしながら、このような特殊な打ち方や、砂場であるバンカーという抵抗感のある環境では、通常のアプローチと同じ打ち方をしてもなかなか脱出できなかったり、難しいと感じるゴルファーが多くいます。

BunkRの場合

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そうしたゴルファーのために今回開発されたのが、その名も「BunkR(バンカー)」です。通常のウェッジとの大きな違いは、非常に幅広なソールとロフト角にあります。先ほど試打したs159ウェッジのロフト角は58度でしたが、「BunkR」は64度と、ロブウェッジよりもさらにロフトが立っているような設計となっています。

このようなセッティングにより、先ほど述べたようなバンカー特有のテクニック、あるいはなんとなくバンカーで打たなければならないと思われている技術がなくても、安定して砂場から脱出することを可能にします。そうした技術が凝縮されているのが、この「BunkR」というクラブなのです。

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「BunkR」で、一般的なウェッジと同じような打ち方を試してみます。ハンドレイト気味に構え、フェースを開いて打ってみたところ、非常に高くボールが上がりました。打てないわけではありませんが、「BunkR」を通常のバンカーショットのイメージで打つと、飛距離が出すぎてしまうようです。

64度というロフト角から考えると、本来はもっと高く上がり、距離はあまり出ないはずですが、「BunkR」の幅広なソールがしっかりと機能するため、非常に高い弾道で、しかもかなりの飛距離が出てしまいました。

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実際、「BunkR」はアプローチと同じような打ち方、つまりバンカー特有のテクニックを使わなくても容易にバンカーから脱出できる設計となっています。そのため、基本的にはピンの方向へ真っ直ぐ構え、フェースを開いたりハンドレイトにしたりせずに、アプローチのように打つことで安定してバンカーから脱出できるようになっています。

初めからロフトがあるので、ごく普通に真っ直ぐ構え、ややハンドファースト気味でも良いでしょう。それでは、普通のアプローチと同じように打ってみます。

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本来、ハンドファーストのように構えると、通常のウェッジでは砂に刺さってしまい、ボールはほとんど飛ばないものです。しかし、「BunkR」では、ボールがポンと高く上がり、楽に飛んでいきました。

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飛距離に関しては、私がフェースを開いて56度や58度のウェッジで打つ際の振り幅と、特に違和感はありませんでした。適度に柔らかい打感でボールがポンと高く上がり、飛んでいったのには、とても驚きました。

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実際にコースでも使用しましたが、無意識のうちにバンカー特有の打ち方をしてしまい、ボールが飛びすぎる場面がありました。しかし、先ほど説明したように、適切な打ち方をすればよりコントロールが可能です。「BunkR」は、バンカーでもアプローチのような打ち方をしたいと考えるゴルファーにとって、有効なクラブと言えるでしょう。

余計なテクニックは必要ありません。むしろ「BunkR」で通常のバンカーショットを打つと、ボールが高く上がりすぎたり、コントロールが難しくなったりする可能性があります。一般的なバンカーショットのように、ボールの手前の砂にヘッドを軽く入れるようなイメージで打つと、クラブが自然に砂を抜け、砂と一緒にボールを運んでくれるため、非常にオートマチックにバンカーショットが打てるようになります。非常に楽に脱出できますね。

「BunkR」は、先ほど説明した通り、バンカーから打つことに特化した専用クラブです。そのため、ソールが非常に幅広く、ロフト角も64度と、非常に大きいのが特徴です。

ChipRの場合

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それに対し、「ChipR」は基本的にボールを転がしてグリーンに寄せたり、乗せたりするためのクラブであり、転がすのに適した形状をしています。弾道もそれほど高くなく、ソール幅も広くありません。

「ChipR」のロフト角は、他のウェッジと比較して38.5度と立っており、安定してボールを転がすための設計となっています。

それでは、「ChipR」を試打してみたいと思います。現在はグリーンまで10ヤード、ピンまでさらに10ヤードという状況です。障害物がなく、ボールを転がせるエリアがあれば、基本的に「ChipR」の得意とする場面と言えるでしょう。

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打ち方としては、パターの延長線上と考えていただくと分かりやすいでしょう。「ChipR」自体も、通常のウェッジよりも近くに構えられるようにアップライトな設計になっているため、体の近くに構え、手首などの余計な動きを使わずに、ポンと振り出すだけで、基本的にボールは適度に浮き上がり、その後しっかりと転がってくれます。

ボールにフェースが正確に当たれば、基本的に安定して前へ転がり、目標方向に進んでいきます。ダフリやトップといったミスショットと比べれば、はるかにミスを減らすことができるはずです。慣れていけば距離感も養えますので、アプローチにミスが多い方や苦手意識を持っている方は、「ChipR」を積極的に活用することで、スコアアップにつながる可能性があります。

BunkRを芝で使うとどんなショットになるか?

「BunkR」をフェアウェイやラフで使ってみようと思います。このクラブは、バンカーに刺さらないようにソールバウンスが大きめに設計されているため、基本的に芝の上から打つと跳ねてしまう、あるいはきれいにボールを拾おうとすると飛びすぎる可能性がありますので、注意して打ちます。

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やはり、クリーンにヒットさせようとしても、ソールが先に地面に当たる感触がありますね。わずかにダフったような当たりになりますが、ソールが滑ってくれるため、それなりにボールは前へ飛んでくれます。ロフト角が64度もあるので、ボールも高く上がります。「BunkR」をアプローチで使うのも、意外と選択肢の一つになるかもしれませんね。

今回紹介したPINGの性能特化型ウェッジ、ぜひ試してみてください。

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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