「たかがボール1個分。されどボール1個分」 大谷翔平の復調を占うコンタクトポイントとは?
大谷の好不調を測るバロメーター
もちろん、コンタクトポイントは打席の立ち位置を考慮する必要があるので、Baseball Savantでは、体の重心からの位置も計測し、公開されている。それによると昨年、大谷の重心からコンタクトポイントまでの距離は25.7インチで、メジャー全体で16番目の近さだった。
ただ、今年のデータ(4月12日まで)を見ると、大谷のコンタクトポイントはベースの先端から2.3インチ後ろ。昨年より1.4インチも投手寄りになっていた。
空振りまで含めた場合(バットとボールが一番近づいた地点で計測)の平均値はベース前0.4インチ。昨年は2.4インチ後ろだったので、2.8インチも差がある。重心からの距離は昨年が26.8インチ。今年は29.8インチなので、昨年より3インチ遠くなっていた。
3インチというのは、ほぼボールの直径と同じだ。空振りまで含めた場合の平均値、また、重心からの平均距離は、いずれもボール約1個分、コンタクトポイントが投手寄りになっているということが分かる。
メジャーリーグでは、ホームプレートの前にお金が落ちていると言われ、長打を打つならホームプレートの前で捉えるというのが一般的な考え方。しかし、それは大谷本来のコンタクトポイントではない。一昨年もコンタクトポイントはベースの先端から4.3インチ後ろ。重心からの距離は25.7インチ。
たかがボール1個分。されどボール1個分。
今後、大谷のコンタクトポイントはどうなるのか。ホームプレートの先端のラインから下がり始めたそのとき、打球はセンターから左中間方向に放物線を描くようになり、本来の姿となると予想できるが、紛れもなくその数値は、大谷の状態を知る上でのバロメーターとなりそうだ。
(企画構成:スリーライト)