「たかがボール1個分。されどボール1個分」 大谷翔平の復調を占うコンタクトポイントとは?
4月2日(※日時はすべて現地時間)のブレーブス戦で、元チームメートのライセル・イグレシアスからサヨナラ本塁打を放つと、大谷翔平(ドジャース)は試合後、額に汗を浮かべながら手応えを口にした。
「失投が来たときに、最近はファウルが多かったんですけど、しっかり振れるということはまずいい反応ができているということですし、ファウルになっていたのが本塁打になっているというのは、いいスイング軌道でボールに入っていっているのかなと思う」
状態が上がってきた――。誰もがそう受け取ったものの、続くフィラデルフィア遠征(4月4日~6日)では、11打数1安打、2四球。4月6日の試合では3打席連続三振を喫し、それは、昨年7月24日のジャイアンツ戦以来だった。
確かに、相手は厳しい攻めを見せていたが、ミスショットもあった。どうしたのか? 惜しくもサイクル安打を逃した7日の試合後、こんな話をした。
「時差(ボケ)が治りきったところでこっちに来てという感じだったので」
4月だからといって、疲れがない、ということはない。もちろん、9月の疲れとは種類が違うが、まだ体が移動や寒い中でのプレーに慣れていない。時差もある。日本での開幕戦を含めた移動、気候の違いが、大谷だけではなく、開幕8連勝を飾ったチームの勢いも止めた。
「1回目の遠征なのでなかなかリズムに乗り切れないところはあるのかなと思う」
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ミスショットが増えた要因は?
まずは、こちら。大谷が右方向にゴロを打った割合を整理した。(4月12日試合終了時)
その要因――例えば、変化球が増え、ベースの前で打たされるケースが増えた、という仮説が立てられる。
ただ、開幕から16試合の傾向を調べてみると、変化球の割合は45.63%。過去4シーズン(2021~24)は48.4%なので、むしろ少ない。実際、右方向へのゴロは、投手を左右に分けて調べたが、トータルでは真っ直ぐ系の方が多かった。変化球を打たされているわけではない。