元Gスカウトが語る山口俊獲得の舞台裏 不安も多かった清宮の1位指名
不安も多かった清宮幸太郎
同年に育成5位で指名した明星大の松原聖弥(現・西武)も印象に残っている選手です。岡崎さんがまだスカウト部長になる前、山下さんの後任になることが決まっていたこともあって、松原が4年生の時に一緒に試合を見ていたことがありました。その時に松原のことを候補として伝えていて、実際にきれいにレフト前ヒットを打ちました。岡崎さんから「細いけど、確かにバッティングは悪くないね。足はどうなの?」と聞かれたので、「足は速いんですけどちょっとおっちょこちょいでチョンボが多いです」と話していたら、目の前で牽制で刺されたのです。あまりのタイミングの良さに2人で笑ってしまったことを覚えています(笑)。それでも育成から上がって、2021年はレギュラーとして活躍もしてくれました。
2017年は早稲田実の清宮幸太郎を巨人も含む7球団が指名しています。1年生の時に甲子園でホームランも打ちましたし、いくら金属バットと言ってもあれだけ量産できるというのは並のバッターではありません。ただイメージとしては少し筒香の高校時代と重なり、高いレベルのピッチャー相手に木製バットで打てるかなという不安はありました。守備についても動きも良くないし肩も強くないため、プロではファーストしかできないという印象でした。バッティングだけでファーストで外国人選手と喧嘩ができるか? と考えるとちょっと疑問は残りました。岡本和真と違ったのはその点ですね。そうなるとどうしてもセ・リーグの球団は指名しづらい。自分がスカウトの立場で残っていたら、ファーストしかできなくても獲る価値があるのかというのは相当悩んだと思います。
清宮を抽選で外した巨人は、外れ1位でも九州学院の村上宗隆(ヤクルト)を3球団競合の末に外しました。村上のことは入学してすぐに4番を打って評判だということで、1年生の時からチェックしていました。その頃からスイングの軌道が良くて、リストワークも凄く良く、1年生で騒がれるだけのものはありました。ただ清宮と同じで当時のポジションはファーストでしたから、将来のことを考えるとサードを守れるようになれると良いな、と思ったことを覚えています。
村上の評価ももちろん高かったのですが、「全国区のスター選手」ということで、やはり1位は清宮にしようという話になったのではないかと思います。もし村上が巨人に入っていても、あんなにすぐ活躍できたかは分からないですね。どうしても巨人だと我慢して使うということが難しいですから。本人にとってはヤクルトで正解でしたね。
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