尖った性能がマイルドに進化!コブラ「DS-ADAPT LS ドライバー」の実力をクラブフィッターが評価

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コブラが2025年に発表した新シリーズ「DS-ADAPT」。その最新ドライバー4モデルの中から、DS-ADAPT LS ドライバーの特徴をクラブフィッターの小倉勇人さんに解説していただきました。

DS-ADAPT LS ドライバーの性能と特徴

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LSは、コブラが2025年に発表したDS-ADAPTシリーズにおいて、ある意味フラッグシップモデルと言えるでしょう。前作DARKSPEED LSは非常に個性的で、強く印象に残っています。

今作のDS-ADAPT LSは、パワーや技術が足りないと感じさせてくれた前作に比べ、期待できる仕上がりになっていました。

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まず、進化点と共通テクノロジーについてですが、前作にも搭載されていたH.O.T FACEテクノロジーの面積が拡大されました。16分割されたそれぞれのエリアでミスを補正し、安定した飛距離を生み出すこのテクノロジーは、面積を拡大して継続搭載されています。

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さらに今回は空力にもこだわり、振り抜きの良い、空気抵抗の少ないヘッド形状となっています。

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さらに、今回の大きな特徴の一つである弾道調整機能として、全く新しい機構の「FutureFit33™」が搭載されています。これは、ロフト角とライ角を独立して調整でき、簡単に33通りのポジションを選択できる画期的な機能です。

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LSの特徴として、可変ウェイトが3つ搭載されています。トゥ側のフェース寄り、ヒール側のフェース寄り、そして後方です。これらを入れ替えることで、特性をさらに調整できます。ヒールウェイトとトゥウェイトに加え、バックウェイトを搭載し、ポジションや重量を変更することで、スピン量と寛容性の調整が可能です。

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さらに、DS-ADAPT Xにも搭載されている機能ですが、LSのロフト設定は10.5°と9°の2種類です。内部にはパワーブリッジという構造が採用されており、10.5°モデルは後方にウェイトが搭載されている一方、9°モデルはより低スピンにするため、フェースの低い位置にパワーブリッジウェイトが搭載されています。

これにより、ロフト角以上にスピン量の違いを生み出すことが可能です。そのため、9°モデルはとにかく低スピンで、ライナー性の強い弾道で力強く飛んでいく印象です。一方、10.5°モデルはLSでありながら、ロフト角によって打ち出し角が高く、重心も深いため、やや球が上がりやすく、寛容性も高められています。

DS-ADAPT LS ドライバーを試打した印象

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試打した感触としては、自然に打って、前作DARKSPEEDのXに近いイメージでしょうか。確実にボールは逃げていくのですが、ドロップフェードのような落ちる球ではありません。そこそこ強い弾道で、低スピンのフェードという感じで、狙ったところに打ち出しやすくなりました。

また、適正スピン量よりも、私のパワーの関係もありますが、パワーがなくても少なめのスピン量で前に飛ばせる印象です。

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したがって、「やさしくなった」という表現は適切ではありません。今回試打したのは日本仕様で、50g台のオリジナルシャフトが2種類用意されています(※オリジナルシャフト以外にも60g台のシャフトも2種類用意されています)。

2種類とも試打しましたが、どちらも非常に振り抜きが良く、ヘッドスピードを上げやすい仕様でした。おそらく日本仕様は、やや軽量に設計されていると感じました。

このような点が、振り抜きの良さ、ボールのつかまり、適正スピン量に影響していると思います。非常に扱いやすくなったという印象ですが、単純に「やさしくなった」とは言えません。ある程度積極的に振っていかないと、ボールをつかまえるのは難しいでしょう。

カチャカチャ機能でライ角やロフトを調整すれば、多少つかまる方向へ変化する可能性はあると思います。スイングを変えずに、ある程度打ち出し方向やボールのつかまりを調整できると思われるため、その点で調整すれば、前作のような手強さは今作には全く感じられません。

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何より「FutureFit33™」によって、つかまり、ライ角、ロフト角を独立して調整できるようになった点は、クラブの性能を非常に引き出しやすいと言えます。自身で無理にコントロールする必要がなくなり、よりオートマチックに自分の潜在能力とクラブの性能を発揮しやすくなったと感じます。

DS-ADAPT LS おすすめユーザー

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ただし、コブラのLSモデルであるため、ある程度性能を引き出すにはヘッドスピードが速い方が望ましく、45m/s以上あることが推奨されます。ヘッドスピードが43m/sでも打てないわけではありませんが、その場合はXをカチャカチャ機能で調整する方が扱いやすいと感じました。

どうしても低スピンを求める方や、スピン量が多すぎて抑えたい、低スピンの球を打ちたいという方には、LSを調整するという選択肢もあるでしょう。しかし、安定性を重視するならば、ヘッドスピードがそれほど速くない方はXを調整する方がより安定して打てると思います。

やはりLSはLSであり、ある程度ヘッドスピードのある方がその性能を引き出しやすいのは確かです。しかし、前作に比べるとマイルドになり、尖った印象は軽減されています。さらに、調整幅が広がり、ウェイトも3つ搭載されているため、ヘッドの特性をある程度変更することも可能です。これらの点を考慮すると、ヘッドスピードが速い方にはおすすめできるでしょう。

ただし、ボールをつかまえる技術はある程度求められると思います。非常に刺激的で面白いクラブですが、これまでのネガティブな意味での尖った感じはかなり和らいだと感じます。

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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