人気アマが試打!コブラ「DS-ADAPT」ドライバー4モデルを打ち比べ
実際に進化しているのか、それとも買い替える必要はないのか。オレンジマンがしっかりと試打をして詳細に検証したいと思います。
試打するヘッドは4種類
・高慣性モーメント10Kで飛ばす「DS-ADAPT MAX-K」
・最大限のドローバイアスで飛ばす「DS-ADAPT MAX-D」
・飛距離と許容性を兼ね備えた「DS-ADAPT X」
・圧倒的低スピンで飛ばす「DS-ADAPT LS」
今作で新たに加わったのは「MAX-K」です。これは、近年のトレンドである高慣性モーメント10Kに由来する名称です。オフセンターヒット時の寛容性が最も高いモデルとなっています。
見た目から分かること
「MAX-K」にはソール後方に1つのウェイトが装着されており、球が上がりやすい仕様であることが分かります。
「MAX-D」にはヒール側に1つウェイトがあり、まさに捕まりやすいドローバイアスです。
「X」にはソールの真ん中と後方に1つずつウェイトがあり、付け替えることで弾道調整が可能です。
「LS」にはフェース寄り上下に2つ、後方に1つと計3つのウェイトが装着されており、細かい弾道調整ができることと、前方に2つあることでスピン量を抑える役割があることが分かります。
「MAX-D」はヒール側後方に膨らみがあり、フェースアングルも最も左を向いていました。
「MAX-K」と「X」は非常に似た形状で、フェースアングルもスクエアに見えます。
「LS」は一回り小ぶりで、最もシャープに見え、ディープな形状にも感じられます。フェースアングルもやや開き気味に感じました。
また、アドレスを正面から見た時の見え方にも違いがあり、「LS」はかなりハイバック形状になっていて、重心を高く設定することでスピン量を減らすことや、空気抵抗を減らす役割を果たしています。この時点でかなり難しいクラブの印象を受けます。
「X」もわずかにハイバック気味ですが、「LS」とは比べものになりません。逆に「MAX-K」、「MAX-D」は地面にぴったりとつくように重心を下げているので、球が上がらない方の味方となるでしょう。
さらに今作から採用されたのが、新しくなったアジャスタブルホーゼル(カチャカチャ)で、33種類の調整が可能になっているようです。ここまで必要か……?と一瞬思いましたが、より細かく調整できるのは、あって困るものでもありませんし、今まで手が届かなくて歯がゆい思いをしていた方には響くでしょう。
コブラのドライバーはいつも見た目で分かりやすい設計がしてあるので、モデル選びも案外迷わないかもしれません。あとはデータとどれだけの整合性があるのか気になるところです。早速データと共に見ていきましょう。
実際に打ってみた
「MAX-K」:SPEEDER NX for COBRA
「MAX-D」:SPEEDER NX for COBRA
「X」:LIN-Q for COBRA
「LS」:LIN-Q for COBRA
ヘッドスピードは45m/s前後になるように調整して打ち、計測データは5球の平均値です。
ヘッドスピードは45.2m/s、初速は65.8m/sと高初速でした。スピン量は2218rpmで適正値、打ち出し角度は16度と適正値、飛距離は269yと高い飛距離性能を示しました。
今作唯一の高慣性モーメントモデルです。実際に振ってみると、他の3モデルに比べてわずかに振り感が重く感じられます。しかし、それが振りにくいというわけではなく、実際の弾道もほどよくつかまったドローボールでした。
この手のクラブは、もっと直進性が高かったり、右へのミスが増えたりするかと予想していましたが、案外簡単につかまってくれるので、飛距離性能も高いと思います。さらに、打点ブレに対しても強い印象があり、ミスヒットでも弾道はまとまっていました。
ただ、弾道はまとまっていても飛距離の差はそれなりに出たのが惜しい点です。
一般的に慣性モーメントが高いと曲がらないクラブと言われますが、当然ミスショットをすれば左右どちらにも曲がるので、そこにはあまり期待しすぎない方が良いでしょう。他社の高慣性モーメントモデルに比べるとヘッドサイズが小ぶりなので、視覚的にも振りやすさを感じられます。
●こんな人にオススメ
・大きすぎるヘッドが苦手な方
・打点ブレが多い方
ヘッドスピードは44.9m/s、初速は64.3m/sとまずまずの高初速でした。スピン量は2305rpmで適正値、打ち出し角度は17度と適正値、飛距離は264yとまずまずの飛距離性能を示しました。
構えてみると、見た目だけでも左へ飛ぶイメージしか湧きませんが、実際に打ってみても、非常につかまりが良く、気持ちの良いドローボールが打てました。やや少なめのスピン量とドローボールということもあり、弾道は意外にも高くなく、中弾道といったところです。ドローバイアスの強いヘッドなので、とにかく右へのイメージを消して打っていけるクラブだと思います。
飛距離がもう少し出てくれると良いと思いましたが、それよりも右へのミスを出したくない方に向けたクラブだと思うので、飛距離よりもつかまりが良いことが優先されたクラブだと感じます。
データ的に何かが突出しているところはありませんが、すべてが平均的なデータで、前作の「MAX」よりは飛距離も出ていますし、進化を感じられます。
打感は概ね共通していて、やや硬めで弾き感のある打感でした。打音はしっかり目の金属音です。
●こんな人にオススメ
・スライサーの方
・スピン量の多い方
ヘッドスピードは45.1m/s、初速は66.1m/sと高初速でした。スピン量は2324rpmでやや低スピン、打ち出し角度は16度と適正値、飛距離は272yと高い飛距離性能を示しました。
このクラブはトータルバランスが最も良いように感じました。初速も非常に速く、スピン量も減りすぎず、高弾道でキャリーを稼げるクラブです。つかまりは決して悪くはなく、ナチュラルにつかまるので、ドローヒッターとしては非常に打ちやすかったです。
とはいえ、誰でも簡単につかまる感じでもないので、自分でつかまえることが難しい方は注意が必要です。
データを見ながら打っていくと、他メーカーのロースピンモデルを打っているような感覚なので、スタンダードなモデルとしては少しハードルが高いかもしれませんが、初速の速さと飛距離性能は非常に魅力的な1本です。
試打クラブは10.5度でしたが、ヘッドスピードの速い方は、9度にするとさらにスピン量が減り、飛距離が伸ばせると思います。
●こんな人にオススメ
・ヘッドスピードの速い方
・飛距離を求める方
・つかまりすぎを嫌う方
ヘッドスピードは45.2m/s、初速は66.2m/sと非常に高初速でした。スピン量は1901rpmで低スピン、打ち出し角度は15度と適正値、飛距離は273yと抜群の飛距離性能を示しました。
前作、「ダークスピードLS」は昨年発売されたドライバーの中で、個人的には最も飛距離性能が高いと感じたクラブでした。今作も期待がかかる中、試打をしていくと...…やはり飛距離性能は非常に高いです。
しかし、相変わらずメリットは飛距離性能のみという印象で、最初に難しさを感じるクラブです。コンセプト通りと言えばそれまでですが、ロースピンすぎます。今回の試打クラブは10.5度ですが、それでもこのスピン量なので、9度だと誰が使えるのだろうか?と思います。かなり限定的な方しか本来の性能を発揮させることは難しいと感じます。
また、想像よりもつかまり感があります。前作の「ダークスピードLS」よりは若干改善されている印象です。それでも常にドロップの心配が付きまといますし、かなりピーキーなクラブであることは間違いないと思います。
●こんな人にオススメ
・ヘッドスピードの速い方
・スピン量が多い方
・アッパー軌道で打てる方
まとめ
個人的には「X」が最も打ちやすく、データ的にも満足できるクラブでした。適度なスピン量と適度なつかまり感が難しさを感じさせないので、おすすめです。
「MAX-D」はつかまりを最優先にしたクラブで、スライサーの強い味方になってくれると思います。
新しく登場した「MAX-K」は、高慣性モーメントのヘッドにありがちな大型ヘッドではなく、「MAX-D」や「X」と変わらないサイズ感なのが良い点です。
前作の「ダークスピード」から買い替える必要があるかと言われると、急いで買い替える必要は感じませんでした。ただ、今作から採用された新しいアジャスタブルホーゼルで33種類の調整が可能なので、より細かく自分好みにカスタムできるという点だけでも価値はあるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。
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