日本代表フォルティウスが挑む大舞台 武器は粘り強さ、五輪への思い秘めまずは世界一へ

竹田聡一郎

「17歳から」「12年越し」 それぞれの五輪への思い

今年2月に日本選手権で優勝したフォルティウス。それぞれの思いを胸に“世界”へ挑む 【写真:松尾/アフロスポーツ】

 出発前、記者会見で五輪について質問が飛んだ。17歳、高校時代からチャンスに触れてきた吉村は「ずっと目指してきた場所」と答えた。冒頭でリードの近江谷がバンクーバー五輪に出場していることを触れたが、彼女は「最大の挑戦」という言葉を選んだ。

 サードの小野寺佳歩は船山コーチや今回帯同する小笠原歩コーチらと2014年のソチ大会に出場するも、インフルエンザ罹患で数試合のみの出場にとどまるという苦い経験をした。「成長を証明できる舞台」と彼女は12年間の思いを口にした。

 小谷は全所属の富士急時代、2018年に世界選手権には出場してるが五輪はまだ知らない。「恩返しできる機会」と答えた。

 チーム最年少の小林は「金メダルを獲得したら人生が変わるだろうな、そう思える大会」と無邪気な笑顔を見せた。

 それぞれの思いを抱えてチームは13日に現地入りした。13日には小笠原&船山両コーチ、松井浩二トレーナーも現地で合流。吉村は「いい準備ができ、いい感覚を維持できている」とコンディションについても言及した。持っている戦術と技術を発揮できれば、十分に世界のトップも、その先に控える五輪も狙える位置にいる。

 カーラーとしての目標や夢や欲、これまでの道程とそれへの感謝、日本代表としての責任や覚悟。それらすべてを包括しての「世界のトップへ」。まずは12試合、粘り強く戦ってゆく。

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著者プロフィール

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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