2025センバツLIVE! 全32校アンケート分析

【高松商】伝統校が掲げる「スーパーエンジョイベースボール」 練習で「全力じゃんけん」(香川県)

毎日新聞

センバツ出場が決まり、喜ぶ高松商の選手たち 【長澤凜太郎撮影】

 第97回選抜高校野球大会が3月18日に開幕します。北海道から沖縄まで各地から出場する32校の選手・監督らを対象に主催者が実施したアンケートから、チームの魅力や今どきの球児事情を探りました。

劣勢でもたじろがない精神力

 センバツ出場29回は32校で最多。第1回大会(1924年)を制し、近年も2016年に準優勝を果たすなど、公立校の枠を越えて全国トップクラスの力を維持し続けている。

 チームが掲げているのは「スーパーエンジョイベースボール」。3月6日のキャプテントークで、山田圭介主将からその一端が明かされた。練習の始め、ウオーミングアップが終わってキャッチボールを始める前に、長尾健司監督が選手の輪の真ん中に入り、選手全員とじゃんけんする「全力じゃんけん」だ。

 肝は、じゃんけんに勝っても負けても、選手たちは勝ったような雰囲気を出して全力で喜ばなければいけないこと。山田主将は「全力で喜ばないと長尾先生がキャッチボールをさせてくれないので、とにかく全力でやっている」といい、「長尾先生が声かけだったり面白いことを言ったりしてくれるのでリラックスもでき、とてもいい練習だと思う。長尾先生が一番全力です」と笑みを浮かべる。

 劣勢でもたじろがない精神力は、土壇場で生きた。昨秋の四国大会準決勝の新田(愛媛1位)戦は、終盤に2点を追う苦しい展開。しかし八回裏、橘朋宏選手の2打席連続弾となる2ランなどで、4点を挙げて逆転。主催者が選手23人に実施したアンケートでは、「野球に関する最も印象的な事柄」として、この試合を挙げた選手が13人で過半数を占めた。

文武両道を体現 過半数が簿記などの資格取得

大会前に主催者が高松商の選手 23人に実施した「将来の夢」のアンケ ート調査結果 【毎日新聞】

 アンケートでは、選手に資格や特技、過去の習いごとも聞いた。「部活の高商」「就職も進学もできる高商」と学校のホームページにあるように、文武両道に加え、実学にも重きを置く同校。簿記や情報処理、ビジネス計算などの資格を持っていると回答した選手が半数超の12人いた。

 投手陣の二枚看板の一人、末包旬希投手は「和ゴマ」と回答。打たせて取るピッチングが武器の鈴木陽斗投手は「なわとび」が得意で、二重跳びの部門で、愛媛県大会4連覇を達成したという。

 将来の夢の設問には、末包旬希投手や山田主将ら9人が「プロ野球選手」と回答し、二枚看板のもう一人、行梅直哉投手の夢は「メジャーリーガー」。野球関係に進みたい希望を持つ選手が約半数を占めた。高木速人選手は「消防士」、右の代打の切り札・ペリー丈勇選手は「記者」と答えた。

 初戦の相手は早稲田実(東京)。第1回大会の決勝を戦い、2対0で降した相手とセンバツでは101年ぶりに対戦する。色あせぬ伝統校同士の一戦は、幅広い年代の高校野球ファンを楽しませそうだ。

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