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【広島商】今大会最多タイ 81人の大所帯が挑む23回目の春(広島県)

毎日新聞

31年ぶりの中国大会制覇 神宮大会は初出場で準優勝

明治神宮大会で準優勝した広島商の選手たち 【玉城達郎撮影】

 甲子園で春夏7回の優勝を誇るが、昨秋は実に31年ぶりに中国大会を制した。明治神宮大会も初出場で決勝まで勝ち進んだ。

 小技を使って得点を積み重ね、堅守でリードを守りきる伝統の試合巧者ぶりが光った。象徴的だったのが、神宮大会での東海大札幌戦だ。一回に適時打と敵失で2点を先行すると、二回は無死二塁から送りバントとスクイズ1点を追加。試合の主導権を握り、3-0で零封勝ちした。

 主将の西村選手は「長打より単打、1点を積み重ねる野球を実現したい」。荒谷監督にも「うちみたいに1点を積み重ねるチームが勝つことで、他の公立校の励みになれば」との思いがあり、バントなどの基本を重視してきた。

安定感光る左右の二枚看板 野手陣が競い合いチーム力は向上

二枚看板の大宗和響投手(左)、徳永啓人投手 【滝川大貴撮影】

 手堅い試合運びができたのは、左右の投手二枚看板の安定感も大きい。

 大宗投手は最速140キロの伸びのある直球とスライダーが持ち味の右の本格派。神宮大会準決勝では先発して延長十回まで投げ、184球の力投を見せた。「十回はあまり記憶にない」というほど疲れた経験を踏まえて、冬場はスタミナを強化。投球の幅を広げようとフォークの精度にも磨きをかけた。

 左腕の徳永投手はカーブやチェンジアップなどの変化球を主体に投球を組み立てる。カーブは1年前に習得し「緩急差がなかった自分にとって有効な球種になった」と胸を張る。

 打線は、派手さはないが、つなぐ意識が徹底されている。キーマンは昨秋に4番を務めた2年生の名越選手。出場選手トップタイの15打点をマークし、中国大会決勝で先制2ランを放つなど勝負強い。上位打線を担った西村主将や三田桂慎選手もミート力に優れる。

 野手陣の激しい競争は、チーム力の向上にもつながっている。荒谷監督は昨秋、片岡亮祐選手と柳井晶翔選手の2人の捕手を競わせるように起用し、冬の練習でも野手は複数の守備位置を試した。

 前回出場した2022年は新型コロナウイルスの影響により、初戦で勝ちながらも大会途中で参加を辞退した。「先輩の悔しさも背負っている。目標は優勝だが簡単ではない。一つずつ勝っていきたい」と西村主将。虎視眈々と94年ぶりの頂点を狙う。

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