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【東洋大姫路】母校のユニホーム着た名将と選手が挑む「古豪復活」(兵庫県)

毎日新聞

大会屈指の投手力と堅い守りでリズムつくる

東洋大姫路の投手陣を支える阪下漣投手(左)と末永晄大投手 【北村隆夫撮影】

 安定感に優れるエース右腕・阪下投手を野手の堅実な守りが支える。打線は上位から下位まで切れ目がなく、攻守で出場校随一の選手層を誇る。履正社(大阪)を強豪に育て上げ、母校を率いて3年目になる岡田監督は「やっと全国で戦える戦力が整った」と手応えを語る。

 最速147キロの阪下投手は制球力が高く、キレの良いカットボール、スライダーを自在に操る。調子に関わらず、試合を作ることができ、大崩れしない。昨秋の近畿大会は27回余りを投げて1失点と圧巻の投球だった。

 世代屈指の好投手を擁するだけに2番手格の左腕・末永投手の活躍が上位進出の鍵を握る。最速142キロの直球にスライダー、チェンジアップを駆使する。昨秋は県大会序盤を故障で欠場した阪下投手に代わり、マウンドを守った。その後、強豪相手にも好投し、自信を深めた末永投手は「自分も阪下に負けないくらいの存在感を出し、肩を並べる投手になりたい」と意気込む。

 野手は渡辺拓主将と高畑知季選手の二遊間を中心に前チームからの主力が多く残る。失策は昨秋の公式戦15試合でわずか5。1試合平均の失策数0.33は出場校最少で、好守でもり立てる。

 チーム打率3割8厘の打線は、手堅く犠打を絡めて攻める。機動力に課題を残すが、渡辺拓主将ら上位が出塁し、好機で中軸の見村昊成選手、高畑選手らに回すのが理想の得点のパターンとなる。渡辺拓主将は「守備でも攻撃でも粘り強く戦えるのがチームの特徴」と自負する。

名将が再建 未達の春頂点目指す

選手を指導する東洋大姫路の岡田龍生監督(右) 【北村隆夫撮影】

 夏の甲子園で優勝1回、春4回夏1回のベスト4入りを誇る伝統校も、甲子園での最後の勝利は2011年夏にさかのぼる。古豪復活を期して岡田監督が指揮を執り、室内練習場やトレーニングルームも新設した。充実した環境にひかれ、実績ある選手たちも入学。名将の下で体作りから見直し、実戦練習に多くの時間を費やすなど改革を進めてきた。

 17年ぶりに近畿大会を制し、続く明治神宮大会でも初勝利から4強入りするなど着実に成果は表れている。「センバツはベスト4が最高。まだ優勝がないし、それ以下の目標設定はしない」と岡田監督。まだ見ぬ春の頂点を見据える。

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