2025センバツLIVE! 全32校アンケート分析

【滋賀短大付】秋の「金星」で初甲子園 学校は琵琶湖そば 釣果を書く選手も(滋賀県)

毎日新聞

攻守に低反発バット意識

投球練習をする滋賀短大付の桜本拓夢投手 【加古信志撮影】

 初出場した昨秋の近畿大会では初戦で履正社(大阪大会1位)を4―1で破り、周囲を驚かせた。身長160センチ台の選手が多く、野球に特化したトレーニング施設があるわけでもない。それでも、低反発の新基準バットを意識した戦術が攻守に光る戦いぶりで、春夏通じて初の甲子園出場を勝ち取った。

 チームは守備に主眼を置き、ワンチャンスをものにする野球を身上としている。その中心となるエース左腕の桜本投手は、直球は120キロ前後ながら微妙に変化する直球を正確にコントロールする制球が売りの軟投派。「新基準バットでは逆方向への打球が伸びにくい」という保木淳監督の見立てのもと、履正社戦では徹底した外角攻めで123球1失点の見事な完投劇を見せた。続く天理戦では8回を一人で投げ4失点で敗れたものの、終盤まで接戦を演じ「自分のスタイルが通用することは分かった」と手応えを得た秋だった。

 打者を圧倒する速球や変化球ではなく投球術で抑えるからこそ、ポイントは配球となりそうだ。履正社戦では3点リードの八回、2死一、二塁で迎えた打者に対し、意表を突いた内角への直球で、唯一の三振を見逃しで奪った。保木監督は「相手打者の気配を試合中に感じ、配球するしかない。こればかりはベンチから指示しても遅い」と、バッテリーの選択に期待を寄せる。

自称32番目から1勝狙う

秋の近畿大会で履正社に勝利し喜ぶ滋賀短大付の選手たち 【長宗拓弥撮影】

「守り勝つ」スタイルながら、打線は昨秋の8試合でチーム打率3割1分5厘と出場校の中で平均的な数字を残した。試合では、長打はあまり望めないがタイミングが取りやすいバスター打法を多用する。低反発バットの影響でどのみち長打は出にくいからと、こちらも今の環境を意識した割り切った戦術だ。一方で力勝負になれば分が悪いことから、この冬は速球を打ち込む練習に注力しているという。

 センバツ出場が決まった当日、保木監督は部員らに「うちは出場32校中、32番目のチーム」と発破をかけた。主将の森伸文選手も「俺たちはチャレンジャー、というのが今のチームのスローガンのようなもの」と話す。地に足つけた全員野球で「滋賀短旋風」を巻き起こしたい。

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