2025センバツLIVE! 全32校アンケート分析

【横浜清陵】都市部の県立校が初の甲子園に挑む 「自治」を重視(神奈川県)

毎日新聞

見せた団結力 昨秋の県大会は公立唯一の8強

2本柱の一人、内藤大維投手 【小出洋平撮影】

 昨夏、新チーム結成直後の練習試合は「ほぼ全敗」だった。力がないことを自覚し、「数少ないやれることを、チームとしてどれだけ徹底できるか」を重視してきた。育まれた団結力が秋の公式戦で実を結び、私立の強豪がひしめく神奈川大会で公立校唯一の8強入りを果たした。

 神奈川大会は東海大相模戦を除く3試合はいずれも1失点以下と、投手を中心とした守備が強みだ。右横手の内藤大維投手、左の西田豪投手が2本柱。4試合中3試合に登板した内藤投手は元々、三塁手だったが、夏から投手兼任になった。野原監督の助言で上手から腕を下げたことで球威が増し、頭角を現した。西田豪投手は最速120キロほどながら、変化球で緩急を使い相手を翻弄(ほんろう)する。3番手として期待がかかる右の松嶋歩投手は、スライダーに切れがある。

 秋のチーム打率は2割2分3厘で、攻撃力アップは必須。小技も強化し、泥臭く点を取りに行くつもりだ。固定された打順はないが、主に1番を任される長谷川悠人選手は俊足で、安打、打点、盗塁数でチームトップをマーク。中軸に座る高山選手も勝負強く、「つなぐ意識で強い打球を打ちたい」と意気込む。神奈川大会では強豪私立の選手を目の前に、体格の違いを痛感。ウエートトレーニングの回数を増やし、食事も重視して体重アップを図ってきた。

選手たち自身で練習メニュー考案

練習中、選手たち同士で話し合って意見を共有する 【小出洋平撮影】

 チームの最大の特色は、選手が主体的に考え、話し合って決める「自治」による部運営だ。選手間で部門ごとにリーダーを選出。ミーティングの内容を決めたり、練習メニューを作ったりするのも選手だ。

 主将の山本康太選手は「いろいろな意見を一つのものにしていくのは大変だけど、それがあってこそ自分たちのチーム」と胸を張る。

 現チームのスローガンは「準備、全力、最後まで」。センバツ出場決定後に行われた選手間のミーティングでは「今まで通りのことを、いつも以上にやろう」と決めた。野原監督も「よそゆきにならず、いつも通りのうちの野球を徹底したい」と話す。自分たちで作り上げてきたチームの真価を、聖地で見せる。

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