2025センバツLIVE! 全32校アンケート分析

【壱岐】全員が「島育ち」 玄界灘沖に浮かぶ離島から、聖地へ挑む(長崎県)

毎日新聞

21世紀枠でのセンバツ出場が決まり、喜びに沸く壱岐の選手たち 【矢頭智剛撮影】

 第97回選抜高校野球大会が3月18日に開幕します。北海道から沖縄まで各地から出場する32校の選手・監督らを対象に主催者が実施したアンケートから、チームの魅力や今どきの球児事情を探りました。

試合会場まで片道数時間…逆境乗り越え

 離島のハンディキャップを創意工夫で乗り越えた姿勢が評価され、21世紀枠で初めてセンバツに出場する壱岐。全員が「島育ち」という部員全25人は、「壱岐から甲子園」を合言葉に、2万4000人が暮らす小さな島で大きな夢を実現させた。

 魏志倭人伝や日本書紀にも登場し、古くから海上交通の要衝として知られた壱岐は、玄界灘沖に浮かぶ離島。その大きさは南北約17キロ、東西約15キロで、九州本土には、飛行機で30分、佐賀や福岡へは、フェリー・高速船で1時間以上かかる。公式戦や練習試合では会場までのバス移動も含めると片道だけで数時間を要し、試合に向けたコンディションを整えるのも一苦労だ。私立の強豪の多くで完備されている室内練習場や野球部専用のグラウンドもなく、練習も平日は放課後の2時間。土日も午前中の4時間と限られている。

 そんな多くの制約を乗り越えてつかんだ甲子園で、対戦したい相手として最も多く名前が挙がったのは、昨秋の明治神宮大会を制した横浜。センバツ連覇を狙う健大高崎のエース・石垣元気投手との対戦を熱望する選手も多かった。九州大会で大敗を喫したエナジックスポーツとの再戦を望む声もあった。

島ならでは? 趣味は「釣り」 空手の「黒帯」のエース

大会前に主催者が壱岐の選手20人に実施した「将来の夢」のアンケート調査結果 【毎日新聞】

 アンケートでは、「今まで最も印象的な事柄や思い出」として、今回のセンバツ決定を挙げた部員が半数近くに上り、壱岐ナインの活躍で、「100年に1度の奇跡」と沸き立つ島全体の雰囲気も感じさせる結果となった。久保田空輝選手が記したのは、「中3の時に春のセンバツを観戦できたこと」という回答。かつてスタンドから眺めたあこがれのグラウンドで、白球を追う瞬間はすぐそこまで近づいている。

 将来の夢では、消防士を挙げた安原奨弥選手など半数が公務員と答えた。エースの浦上脩吾主将と岩本篤弥捕手のバッテリーは、どちらも「教師」を目標に掲げた。前田蒼太選手は、「巨人の1軍ベンチに入ること」と夢をふくらませた。「プロ野球選手」と答えた久保田選手は、野球を始めたきっかけに、福岡ソフトバンクホークスへのあこがれを挙げた。

 四方を海に囲まれた環境だからか、趣味を「釣り」と答えた選手も多かった。坂本徹監督が「壱岐の韋駄天」と呼ぶ辻田万翔選手は「ランニング」だった。野球以外のスポーツ歴では、浦上主将が「空手(黒帯)」と答えた。

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