「いま、楽しいです」。重圧から解放された“マツダの翼”

マツダスカイアクティブズ広島 﨑口銀二朗選手 【🄫ジャパンラグビー リーグワン】

3連勝と勢いに乗るクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)が、AGFフィールドにディビジョン3首位を走るマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)を迎えた一戦は、試合前に雪がちらつくほど冷え込んだ中でのキックオフとなった。両チームともチャンスは作るが、仕留め切れないという我慢比べが続いた展開は、後半31分のジャクソン・ピューのトライでようやく勝負あり。SA広島がWG昭島の勢いを止め、首位を堅守した。

この試合で躍動したのは、昨季までキャプテンを務めていた﨑口銀二朗だ。今季はキャプテンを離れ、フルバックとしての仕事に専念。アタックでもディフェンスでも、常にボールの近くに顔を出し、確かな存在感を示している。
「キャプテンをしているときは、自分の言葉一つに、すごく気を遣っていたところがありました。今季は自分のプレーにフォーカスできるようになったのが、いい結果につながっていると思います」
開幕から出場した5試合で連続トライを記録するなど、グラウンドを駆け回る﨑口だが、昨季までのキャプテンとしての経験があるからこそ、ダミアン・カラウナ ヘッドコーチが就任して、SA広島のラグビーが変わってきたことも感じているという。
「選手一人ひとりに明確な役割が与えられているので、みんながそれをしっかりやろうとしています。あとはボールがすごく動くようになりました。昨季までは自分のところにボールが2、3回ぐらいしか回ってこない試合もありましたが、今季はボールがめちゃくちゃ回ってきます(笑)。あとは、お互いのコミュニケーションの質をもっと高くすれば、自然と連係もうまくいって、チームのラグビーのレベルも上がると思います」

責任を担うことで得るものもあれば、重圧から解放されることで取り戻すものもある。「いま、楽しいです」と、話す﨑口の表情はとても穏やかだった。本来の姿を取り戻した“マツダの翼”は、自由に、チームのために走り続ける。
(匂坂俊之/Rugby Cafe)

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