見取り図・盛山晋太郎が熱く語った“サッカー愛” 自身の原点と“相方”槙野氏、アンフィールドとヨドコウの思い出
本場アンフィールドで感じたこと
そしてプレミアリーグのコーナーでは、三笘薫(ブライトン)の爆速ドリブル&ループ弾を振り返り、遠藤航(リヴァプール)の仕事人っぷりも紹介された。
そこで盛山が昨年5月にリヴァプールの試合をリヴァプールの本拠地アンフィールドで現地観戦したこと。その試合がユルゲン・クロップ監督のリヴァプール最終戦だったこと。その際に「(試合後)クロップ監督の打ち上げもあったらしいんですけど、遠藤選手が途中で切り上げて、僕が泊まっていたマンチェスターのホテルまで会いに来てくれた」というエピソードが披露され、「クロップより盛山さんを優先したんですか!」、「えっ?モリップ!?」、「モリップさん!」と新たな称号も誕生することになった。
改めてアンフィールドでの体験を興奮気味に振り返る。
「たまたまスケジュールが3日間空いたんで弾丸で行ったんですよ。これは“もう行くしかない”って。もう圧巻でしたね。生のユルネバ(ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン)聞いて泣く気持ちが分かりましたよ。あの迫力と声量と、何より遠藤航という自国のキャプテンが“こんなすごいところでやってんのか”ってグッと来ましたね。本当に誇りです」
日本人である盛山に対して、現地のサポーターから何度も『エンドゥ!エンドゥ!』とに声を掛けられたと言い、「遠藤選手がすごい評価されてる、愛されてるんだなっていうのをすごく感じましたね」と噛み締める。
「ゾーンに入ってた」PKと今後の目標
「ヨドコウ(桜スタジアム)に行くと、セレッソサポーターの方からすごく温かく声を掛けてくれますし、大阪でサッカーをやったりすると隣のコートのセレッソファンの方から声を掛けてもらったり、逆にガンバサポから煽られたり…。これはこれでエンタメとして楽しいですし、こういうやり合う感じっていうのもいい。リヴァプールで感じたような文化として、根付いて欲しい」
昨年5月、リヴァプールの現地観戦の前には「30周年記念スペシャルマッチ」として、“セレッソ大阪OB vsもりちゃんずユナイテッド”のエキシビジョンマッチにも出場。さらに6月にはハーフタイムショーのPK対決に登場し、スーパーセーブに加えて豪快ゴールを決めてファンの大歓声を浴びた。
「それまで自分が打てたことのないような、とんでもない威力のシュートやったんです。あれはゾーンに入ってましたね。ほんまに全部がスローに見えた。ブルーロックみたいに自分にスポットライトが当たって、他が真っ黒になってた。あれは完全にゾーン。お笑いでもなったことのないやつ(笑)」
年齢的には今年1月に39歳となり、『もりちゃんずユナイテッド』での練習を重ねても「レベルダウンしている」と笑うが、「こうやってサッカーを楽しめるのはあと数年かなと思ったら、すごく愛おしい」とサッカー愛は上昇するばかりだ。そんな盛山に、日本サッカー界のにおける自身の立ち位置と今後の目標を聞いた。
「盛り上げたいですね、Jリーグを。週末にスタジアムに観に行くのが当たり前のようになって欲しい。いつまで『オフサイドのルールわからん』って世の中の女子に言わすんやって思う。そのためにできることは、とにかくサッカーチーム作って、サッカーをやる。もっとコアな人はたくさんいるんで、僕はサッカーに興味を持つキッカケ、その入口の人になれたらなと思います」
盛山の“サッカー愛”は、番組内でも存分にされており、誰が見ても感じるはずだ。例えプロのサッカー選手でなくても、ライフワークとしてサッカーをプレーし、週末には推しクラブのユニフォームを着てスタジアムに足を運び、試合が終われば仲間やライバルとサッカー談義に明け暮れる。誰もが日本のサッカー界を盛り上げることができる。そのことを彼は、身をもって示している。
(取材・文:三和直樹)