4個のメダルを獲得した鈴木孝幸に独占インタビュー 競泳チーム最年長が振り返るパリ大会
競泳チームへの関わり、競技者としての今後
混合200mメドレーリレー(運動機能障害)予選のレースを終え、観客席に手を振る(左から)由井真緒里、鈴木孝幸、西田杏。奥右は日向楓 【写真は共混合200mメドレーリレー(運動機能障害)予選のレースを終え、観客席に同】
多分、それが分かるのは、今後の彼らの取り組み方とか、成績を見てからだと思います。やっぱり終わった直後は悔しい思いをしていて、その時のやる気はみんな当然ある。だから、日本に帰った後にしっかりと歯がゆさなどを抱え、感じながら高い質・集中力で練習をできるかどうか、4年後のロス大会まで継続できるかどうかというのが、彼らに求められているのかなと思っています。なので僕はそれを見て、このリレーが生きたのかな、どうかなというのは見たいなとは思っています。
※編集部注:メドレーリレーは、日向楓(19歳)、田中映伍(20歳)、由井真緒里(21歳)、西田杏(28歳)、鈴木孝幸(37歳)のメンバーで参加
――今回は競泳チームの最年長で臨んだ大会でした、チームへの接し方はどのようにしていましたか?
東京大会など、過去大会で自分がキャプテンを務めていたときには、その立場でみんなをどのようにまとめ上げられるかな? チームとして同じ方向を向いていけるかな?といったことを考えていましたが、今回は斎藤元希くんがキャプテンになって、しっかりとキャプテンシーを持って盛り上げてくれました。なので、そこにちょっとプラスアルファできるように、(斎藤が)チームを盛り上げたいなと思っているだろうタイミングで協力するとか、そういったことしかしていないです。
これからは20代の選手が中心となる競泳チームで、彼らがどんどんこれからチームを作っていかないといけないので、逆にあまり自分がでしゃばりすぎてもいけないとも思っていました。あとは年齢的にもスタッフとの距離が近くなってきたので、スタッフと選手のつなぎ役みたいな部分は担えるかなと少し考えていました。結局のところ、チームがすごくいい雰囲気だったので、それをより強化できるような手助けができたらいいな、みたいな感じでした。
――競技面で今後の目標は定まっていますか?
競技者としては、少し時間をかけてちょっと考える時間が欲しいなとは思っています。ただ、国内の大会には今年度いっぱい出るつもりでいますので、そこに参加しつつ、その期間で今後のことを考えていこうかなと思っています。
――競技外での今後の目標はいかがでしょうか。
いろいろとやることがあるので、それをやっていくことになると思います。例えば現在、博士課程に進んでいますがだいぶ滞っているので、そこをもう一回進めたいなというのもあります。秋口にインクルーシブな水泳大会を開催したいと思っていて、企画をして、資金援助をお願いするなど、そういった裏方的なこともやっているので、しっかりと開催できるように準備をしていきたいと思います。また、今までずっとトレーニングばかりやってきたので、趣味の時間などにも時間を割いて、心も豊かにしていきたいなという気持ちもあります。