陸上「男子100m」人類最速の栄冠は誰に!? 金メダル候補擁する新競技「ブレイキン」にも注目【パリ五輪・後半どうなる?】
世界トップランカーを擁するブレイキン
Shigekix(半井重幸) 【写真:松尾/アフロスポーツ】
日本は金メダルを視野に入れる、男女2人の世界トップランカーを擁する。Shigekix(半井重幸/第一生命保険)とAMI(湯浅亜実)だ。Shigekixは2018年、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われたユース五輪で銅メダルを獲得。20年には世界最高峰の大会「Red Bull BC One World Final」で最年少優勝(18歳)を果たした。
AMIは2018年に「Red Bull BC One World Final」の初代女王に輝いた実力者。昨年には再度、同大会で優勝している。さらに19年、22年の世界選手権を制するなど、抜群の実績を誇る。
現在の両者の世界ランキングは1位。金メダルの有力候補者としてのプレッシャーを跳ね除け、自分のスタイルを大事にしたダンスを披露し、はじめてブレイキンに接する観客を魅了してもらいたい。
スケートボードは8月6日、7日にパークが行われる。この種目では、東京五輪で金メダルを獲得した四十住さくら(第一生命保険)、東京五輪で銀メダルを獲得し、2023年の世界選手権を制した開心那(WHYDAH GROUP)と2位の草木ひなの(スターツ)の女子3選手が有望。7月27日に行われる男子ストリート同様、メダルラッシュが期待される。
スポーツクライミングは複合(ボルダー&リード)に出場する森秋彩(茨城県山岳連盟)と安楽宙斗(JSOL)、2人の初出場選手がメダルの有力候補と目されている。
リードを得意とする森は2022年、同種目でワールドカップ初優勝。昨年の世界選手権ではリードで日本勢初の金メダルを、複合でも銅メダルを獲得している。今年7月14日に行われたワールドカップでは、リードで今季初優勝し、パリ五輪に向けて弾みをつけた。
安楽は昨年、はじめてワールドカップに出場すると、リードとボルダーの両種目で年間総合優勝を成し遂げるという快挙を達成。一躍して両種目の中心選手となった。
東京五輪でメダル候補とされながら4位にとどまった楢崎智亜、銀メダリストの野中生萌にもメダル獲得に期待がかかる。
バレーボール男子、52年ぶりのメダル獲得なるか
バレーボール男子日本代表の石川祐希 【写真は共同】
かつて男子日本代表は1968年のメキシコ五輪で銀メダル、72年のミュンヘン五輪で金メダルを獲得するなど、強豪の一角だった。その後、長い低迷期に突入。96年のアトランタ五輪から3大会連続で、2012年のロンドン五輪から2大会連続で五輪出場を逃すなど、どん底を味わった。
復活の契機となったのは、2017年に指導実績が豊富な現監督のフィリップ・ブラン氏をコーチとして招へいしたこと。19年のワールドカップで4位、東京五輪でベスト8入りを果たすと、22年に男子日本代表の監督に就任。世界最高峰のイタリア1部リーグでプレーする、主将の石川祐希(ペルージャ)、髙橋藍(サントリー)らが中心となって、昨年のネーションズリーグ(NL)ではイタリアを破って3位になり、パリ五輪の予選も突破。今年のNLでは過去最高位の2位になるなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
復活の狼煙を上げたバレーボール男子日本代表。52年ぶりのメダル獲得へ、さらなる飛躍に期待したい。
大会終盤の8月5日から行われるレスリングは、東京五輪で金メダルを獲得した、女子フリースタイル50kg級の須崎優衣(キッツ)を筆頭に、東京五輪で銀メダルを獲得した、男子グレコローマンスタイル60kg級の文田健一郎(ミキハウス)、2021年と23年の世界選手権を制し、公式戦133連勝中の女子フリースタイル53kg級・藤波朱理(日体大)、東京五輪金メダリストの乙黒拓斗(自衛隊)を昨年の全日本選手権で破り、初の代表入りとなった清岡幸大郎(三恵海運)ら、有力選手がひしめき合う。
東京五輪では金メダル5個、銀メダル1個、銅メダル1個とメダルを量産。パリ五輪でも同等か、それ以上の記録を残すことができるか。期待しよう。