「日本キラー」が千葉ジェッツを救う? 豪代表クックスが見せるクールな攻撃と熱い守備
クックスは11月下旬から千葉に合流している 【(C)B.LEAGUE】
W杯の日本戦で大活躍
今夏のワールドカップ(W杯)をご覧になったバスケファンならば、彼の名前をご記憶かもしれない。8月29日のW杯1次ラウンド・日本戦ではオーストラリア代表の一員としてコートに立ち、24得点を挙げて109-89の勝利に貢献している。
オーストラリアはW杯こそベスト8入りを逃したが、東京オリンピックで銅メダルに輝いている世界的な強豪。W杯も登録12名のうち9名が現役NBAプレーヤーという豪華な陣容だった。
28歳のクックスも2022-23シーズンにワシントン・ウィザーズで10試合プレーした元NBAプレーヤーだが、代表チームの彼は脇役で、日本戦もベンチスタートだった。しかしインサイドショットを量産し、「柔らかいタッチで正確にシュートを決める選手」として印象に残った。日本から見れば「クックスにやられた」印象が強い試合だった。
日本戦は主にセンターでプレーしていた。ジョック・ランデール(ロケッツ)の負傷でインサイドが手薄になり、203センチ・95キロと細身な彼が代役を担った部分もある。ただ、千葉では全く違うスタイルを見せている。攻撃の効率性はそのままだが、3番ポジション(スモールフォワード)で多彩なプレーを披露。俊敏性や「しなやかさ」を感じる、スキルフルなアタックを見せている。
ホームデビュー戦でも本領を発揮
クックスはW杯の日本戦で24点を決めている 【(C)FIBA】
ジョン・パトリックヘッドコーチ(HC)はそのプレーについてこう評していた。
「積極的にファストブレイク(速攻)でプッシュしていました。身体が細長くて、ガードっぽいプレーをします。良いエネルギーを発揮して、彼とD.J.ステフェンズはウイングフォワードとして非常に大事な存在だと思います」
クックスは相手を背負うのでなく動きながらパスを受け、ときに自ら運び、スムーズにフィニッシュまで持っていくタイプ。左右両手で正確なシュートを打てるところも強みだろう。茨城戦もディフェンスリバウンドから一気にコートを縦断する『コースト・トゥー・コースト』の速攻、コーナーからの3ポイントと多彩な形を見せていた。
キャプテンの富樫勇樹は新しいチームメイトについてこう述べる。
「僕が思っていた以上に外からのアタックができる選手でした。基本的にインサイドかと思ったら、今日も長い時間3番で出ていました。リバウンドだったり、サイズを生かしたアタックだったり、チームに色んなアドバンテージを与えてくれています」