薔薇一族の新世代、2歳ダート王の登竜門に挑む 兵庫ジュニアGPに5連勝中“北のネクストスター”も参戦
過去の歴史を振り返ると、これまでの24回中JRA馬が20勝、地方所属馬が4勝。直近でもJRA勢が6連勝中と、2歳戦においてもJRAと地方のレベル差には開きがある。また、過去5年の勝ち馬を見ると、2018年デルマルーヴル、19年テイエムサウスダン、21年セキフウ、22年オマツリオトコと、3歳・古馬になっても引き続き重賞で勝利、あるいは連対する好走を見せ、20年デュアリストも重賞でこそ成績を残せていないが、オープン特別を3勝するなど現在もダート戦線で活躍している。ここから分かる近年の傾向としては、JRAから兵庫ジュニアグランプリに参戦し、かつ勝利を収められる馬は単なる早熟馬ではなく、今後のダート戦線を引っ張る存在となり得る素質馬でもあるということだ。
では今年も未来のダート短距離戦線を担うスター候補生は現れるのか、そして強力JRA勢を打ち負かす地方の星は誕生するのか、出走予定馬の紹介と合わせて展望していきたい。
芝重賞勝ちのゼルトザーム、砂でこそ本領か
また、ゼルトザームの父ヘニーヒューズの産駒からは、モーニン(16年フェブラリーステークス)、ワイドファラオ(20年かしわ記念)、アランバローズ(20年全日本2歳優駿)をはじめJRA、地方を問わずダート重賞の勝ち馬が続出。この兵庫ジュニアグランプリの勝ち馬もケイアイレオーネ(12年)、セキフウ(21年)の2頭が出ており、この父の特徴を受け継いでいるのであれば、やはりダートでこそ本領発揮だろう。
加えてゼルトザームの母系はローザネイを祖とする名門・薔薇一族。祖母ローズバド(01年オークス2着などGI・2着が3度)、伯父ローズキングダム(09年朝日杯FS、10年ジャパンカップ)、いとこのスタニングローズ(21年秋華賞)など、この一族は芝での活躍馬が多いが、多様性の今の時代を象徴するように薔薇の新世代ゼルトザームがダート戦線で大輪の花を咲かせることになるかもしれない。
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砂で2戦2勝サトノフェニックスとイーグルノワール
イーグルノワールもダートでは2戦2勝の実績。デビュー戦は芝を使ったものの末脚一息で4着に敗れたが、2戦目からダートに転じて一変した。芝では切れ味不足だった分、力の要るダートでは追えば追うだけ伸びるという競馬で、未勝利、1勝クラスのプラタナス賞と2戦続けて上がり最速タイムをマーク。さらに名牝スキーパラダイスの母系という血統面からもまだまだ奥がありそうな素質馬だ。不安があるとすれば1400mという距離。1700m、1600mで勝ち上がってきた分、この距離短縮がどう出るかだが、デビュー戦からスタートセンスが良い馬だけに前半で置かれるようなことはなさそうだ。
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