履正社・森沢は素直で優しいキャプテン 仲間と手を取り合い、仙台育英との決戦へ
危機感を持って最大の山場へ
甲子園では鳥取商、高知中央を破ってきた履正社。3回戦で昨夏王者・仙台育英と激突する 【写真は共同】
「3点リードしていてもずっと怖かったです。いつ、ひっくり返されるのかと思うと……」
9回の先頭打者は4番のラマル・ギーヒン・ラタナヤケからだった。
「中軸だったので、1人でも出たら怖い。それだけしかなかったです」
府大会の期間中、光弘からは「お前がエラーすると負ける。もっと足を動かさないといけない。出るところは出て、下がるところはちゃんと下がって」とメッセージが届いていた。
「とにかく足を動かすことだけ考えた」と足の運びは意識した。
府大会決勝、そして甲子園の初戦・鳥取商戦、2回戦の高知中央戦と自身は無失策だった。それでも送球など納得している部分はない。
「今のままだと仙台育英に負ける」
危機感を持ちながら次戦の最大の山場となる仙台育英戦を見据える。
今年のチームは全国制覇した4年前のチームと比較される。打線の破壊力は4年前には及ばないが、機動力は負けていない。
「盗塁できることは強みだけれど、盗塁だけではなく攻撃でもプレッシャーをかけていきたいです」
大阪での大きな壁を破った後、甲子園でもひとつひとつの壁を打破してきた。再び立ちはだかる分厚い壁を前に、履正社ナインは心をひとつにする。
仲間と手を取り合い、決戦へ。その真ん中に森沢がいる。