高校野球「プレーヤーランキング・23年夏」

高校野球「プレーヤーランキング・23年夏」千葉編 全国屈指の平野に加え、投手歴の浅い2人の急成長右腕も必見

上原伸一

5位:菰田朝陽(3年/拓大紅陵/外野手)

 一塁までの到達タイムは実に3秒台後半。快足を誇り、数歩でトップスピードに入れるのが強みだ。塁に出れば、相手にとっては嫌な存在になる。脚力を活かしたセンターでの外野守備にも定評がある。

 打撃では1年秋より1番打者に定着し、コンスタントにヒットを飛ばしてきた。特に昨秋は全5試合での打率が5割超とよく打ち、ベスト4入りしたチームをけん引した。走攻守三拍子が揃ったプロ注目のスピードスターが、2002年以来となる夏の甲子園の「道先案内人」になる。

4位:水野岳斗(3年/木更津総合/外野手)

 1年夏からベンチ入りすると、秋は4番に座り公式戦15打点の働きでセンバツ出場に貢献。センバツでも2試合で計4安打を放った。

 その後も中軸を担ったが、この左打者が本領を発揮したのが準優勝に導いた今春の関東大会だ。全4試合で9安打7打点と爆発。慶応(神奈川)との2回戦では2打席連続ホームランを記録した。最後の夏を前に、広角に長打も打てるバッターへと進化し、より勝負強くもなっている。1年春からの7季中5季で中軸を担ってきたプライドを胸に打席に立つ。

3位:早坂響(3年/幕張総合/投手)

 肩の強さを買われて、本格的に投手に転向したのは昨秋。それまではマスクをかぶっており、昨夏、昨秋と捕手登録でベンチ入りした。1年足らずの間に急成長を遂げ、最速は150キロに。公式戦初先発となった春の初戦(2回戦、対市原中央)では2安打2失点で完投。救援登板した木更津総合との3回戦では2回3失点だったものの、変化球も精度が高い。

 練習試合にはNPBのスカウトが何人も視察に訪れている。可能性を秘めた右腕から目が離せない。

2位:村田次朗(3年/中央学院/投手)

加速度的に成長を続け、春季大会でのハイパフォーマンスにより評価はうなぎ上り。全国の舞台で見てみたいと思わせる投手だ 【YOJI-GEN】

 江戸川中央シニアではショートで、昨夏は内野手登録でベンチ入り。投手に専念したのは昨秋からだ。ウエイトトレーニングなどによって球速が10キロ以上もアップし、現在の最速は148キロ。カーブ、スライダーといった変化球も巧みに操る。

 春の千葉黎明との3回戦では、毎回の15奪三振で1失点完投勝ち。ベスト4進出の立役者になった。夏前の他県強豪との練習試合でも好投している。プロ注目の伸び盛りの右腕が、中央学院を2度目の夏の甲子園に連れて行く。

1位:平野大地(3年/専大松戸/投手)

 その実力は全国の舞台でも証明済みだ。センバツでは常葉大菊川(静岡)との2回戦で完封すると、3回戦(高知)は自責点1で完投。専大松戸を春夏通じて初の8強に導いた。

 中学時代は捕手で、本格的に投手になったのは高校入学後。数々の好投手を育成した持丸修一監督の下で才能が開花した。2年秋には自己最速の151キロをマークし、ドラフト候補にも躍り出た。スライダー、カーブなどの変化球も巧みに操る。県大会3季連続制覇を果たし、甲子園に「帰る」つもりだ。

(企画・編集/YOJI-GEN)

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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。外資系スポーツメーカーなどを経て、2001年からフリーランスのライターになる。野球では、アマチュア野球のカテゴリーを幅広く取材。現在はベースボール・マガジン社の『週刊ベースボール』、『大学野球』、『高校野球マガジン』などの専門誌の他、Webメディアでは朝日新聞『4years.』、『NumberWeb』、『ヤフーニュース個人』などに寄稿している。

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