高校野球「プレーヤーランキング・23年夏」

高校野球「プレーヤーランキング」兵庫編 強肩捕手の堀、二刀流の坂井、さらに2年生のスター候補も

沢井史

5位:今朝丸裕喜(2年/報徳学園/投手)

 186センチ・73キロと細身の身体から繰り出されるストレートには伸びがあり、他にもカットボール、チェンジアップなど武器が多彩だ。6月の享栄(愛知)との練習試合では15奪三振1失点で完投勝ちし、翌週の帝京(東京)との練習試合でも好投。調子が上がらなかった春の近畿大会以降、下半身の使い方を変えたことで、コントロールが良くなった。

 準優勝したセンバツでも見せたように、どんな場面でも物怖じせず、ひょうひょうと投げる姿は大物感を漂わせる。

4位:高橋大和(3年/社/投手)

センバツの海星戦では9安打を浴びて5失点と結果を残せなかったが、そこから着実に成長。最後の夏にどんな投球を見せるか、楽しみだ 【写真は共同】

 今春のセンバツでは初戦で海星(長崎)に1-5で敗れ涙を飲んだが、夏に向けグローブの収め方を変えるなどしてフォームを修正。リリースが安定したことで球持ちが良くなり、球のキレが増した。山本巧監督は「研究熱心で人一倍練習する」と普段からコツコツ重ねる地道な姿勢を評価する。

 昨秋の近畿大会以降、ストレートの威力が見違えるほど増し、年明けには140キロ台半ばをマークするほど急成長した右腕は、集大成の夏にどんな姿を披露するか。

3位:津嘉山憲志郎(2年/神戸国際大付/投手)

 入学直後は100キロ近くあった体重を、現在は90キロにまで絞ったことで、身体のキレが増し、体重移動がしやすくなったという。何より、津嘉山の最大の魅力は抜群のコントロールの良さで、内角、外角への最速148キロのストレートの出し入れが絶妙だ。スライダー、スプリットなどで三振も奪い、チェンジアップ、カーブなどで緩急も器用に使う。

 打撃でも非凡なセンスを見せる右腕は、来年の世代をけん引する可能性も十分に秘めている。

2位:堀柊那(3年/報徳学園/捕手)

 準優勝したセンバツでは打撃で思うようにアピールができず、「課題はバッティング」と自身も明確なウィークポイントと捉え、克服に取り組む。

 最大の魅力は二塁送球1.8秒台の強肩だ。加えて、U-18日本代表候補合宿の紅白戦でバッテリーを組んだ152キロ左腕・東松快征(享栄)は、「堀はとても大きく構えてくれて、すごく投げやすかった」と堀が与える投手への安心感を絶賛した。春に果たせなかった日本一へ、打撃でもチームをけん引し、まずは夏の兵庫獲りに全力を注ぐ。

1位:坂井陽翔(3年/滝川第二/投手)

滝川第二の絶対的エースであり、打線の軸でもある坂井。投打にわたってチームを引っ張り、2015年以来となる夏の甲子園に導けるか 【YOJI-GEN】

 1年春から注目されてきた二刀流。投げては最速149キロの速球に、フォーク、ツーシームなどの多彩な変化球も操り、打っては右に左に鋭い打球を飛ばす右の中距離砲だ。4月に行われたU-18日本代表候補合宿にも選出され、力のある直球を披露した。

 6月に入って体調を崩し、思うようなピッチングができない時期もあったが、本番に向け現在は復調。185センチ・84キロの恵まれた体格は、やはりマウンドで映える。昨秋、今春といずれも報徳学園に惜敗。最後の夏は“三度目の正直”のマウンドにする。

(企画・編集/YOJI-GEN)

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著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

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