小1の時、"野球はできない"ほどの大ケガ負った本多雄一 それが這い上がる原動力に
本書では本多が大切にしてきた考えや、身につけてきた習慣を伝えていく 【写真:ロイター/アフロ】
小学校1年生の夏。78針を縫う大ケガを負い一命をとりとめるも、病院の先生の言葉で僕のプロ野球選手の夢は一度途絶えたも同然でした。
"もう野球はできないでしょう"
当時の僕や家族にとっては、残酷すぎる診断内容だった。しかし今思えば冷静な判断だったと思う。背中の右側の筋肉を失うほどの大ケガだったのだから。
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良くも悪くも幼い僕に"できない理由"を考える経験値はなかった。シンプルに野球が大好きという想いだけで奮起し、その後鹿児島実業から三菱重工名古屋まで野球を続けプロ野球の世界に飛び込めました。
あの時の大ケガは儚くも僕のキラキラ輝く夢を奪いかけたと同時に、僕に這い上がる原動力を与えてくれました。
これまでの経験も今の環境も当たり前なんてことはひとつもない。
僕の場合は大ケガの代償が習慣化への意識づけだったのかもしれない。
両親が厳しかったこともあるが、多くの方々と出会いや環境の中で、その時折に身についた礼儀や挨拶といった習慣によって僕の今があると思います。
もちろん習慣だけが全てではない。
しかしこの習慣に一つひとつの積み重ねで結果的にプロの野球選手に選んでいただき、コーチという立場にも恵まれたと思っています。
習慣は日常の中にあるものであり、本書に込める想いは野球だけでなく、社会人として、人としても刻み続けたい内容だとコーチになった今でも感じています。
僕自身まだまだこれから挑戦を続けていきたい。
今回出版のお話をいただいた際は、ありがたい気持ちと同時に僕に何か残せるものがあるのだろうかと迷いました。それでもこれも一つの挑戦。これまでお世話になった方々への感謝を綴る良い機会であり、自分自身を見つめ返すきっかけにしたいと思い、書き記すことを決めました。
僕が人として大切にしてきた考えや、身につけてきた習慣が一つでもこの本を読んで頂いた方のきっかけとなり、明るい未来につながる事を心から願っています。