楽天投手の兄も活躍するカバディ マイナー競技普及の課題とは?
インド発祥の「カバディ」は、鬼ごっことドッジボールを組み合わせたようなルールの競技だ 【筆者撮影】
11月19、20日に行われた全日本カバディ選手権は、大正大学カバディ部のOBを主体とするBuddha(ブッダ)が3連覇を飾った。上位の顔ぶれはあまり変わらなかったが、ベスト8に新潟や鹿児島といった地方のチームが勝ち上がり、例年にない動きが見られた。優勝したBuddhaの主将を務める下川正將は「地方勢が勝ち上がっているのは、印象的。強敵とも接戦で勢いを感じた。鹿児島のチームは昨年、私たちが100点差(109-11)で勝ちましたけど、今回は雪辱を狙っていたそうで、思い切ったプレーが目立っていた。若手に関しては、地方と東京の格差がなくなっているのではないかと感じました」と大会全体の印象を語った。ほかにも北海道や静岡など地方のチームが存在感を示した。
楽天・小峯投手の兄が主軸、鹿児島大同好会が大健闘
躍進した鹿児島のチームで活躍を見せた小峯凌河 【筆者撮影】
漫画「灼熱カバディ」の影響で増加、地方にチームが存在する価値
育成組織が充実していない競技は、柳川(写真手前)のような他競技からの転向選手を増やすことも課題だ 【筆者撮影】
柳川は「31歳になり、今後は、身体が衰えてくる。何か本気でスポーツをやる、ラストチャンス」と競技歴が短くても活躍のチャンスがあるマイナー競技を探し、インディアカとカバディで迷ったが、地元にチームがあることが決め手となってカバディを選んだ。35歳となる2026年に愛知で開催されるアジア大会に日本代表として出場することを最終目標に見据えている。フィジカル能力があり、競技志向も強い。マイナー競技で望まれる人材だ。
チーム、つまり活動場所が存在しなければ、柳川のように競技を始めてみようと思った選手を拾えない。大学まで野球をやっていた鹿児島の小峯がカバディを始めたのも、進学先の大学内に同好会が存在したからだ。競技の普及を考えると、地方にチームが存在する価値は、とてつもなく大きい。