8/18にACLノックアウトステージが開幕 横浜FM、神戸、浦和の日本勢の勝算は?
横浜FMは新助っ人ヤン・マテウスがデビューか
横浜FMの攻撃陣をけん引するレオ・セアラ(中央)。7月度の明治安田生命JリーグKONAMI月間MVPに輝くなど、目下絶好調だ 【Photo by Hiroki Watanabe/Getty Images】
現在、J1で首位を走る横浜FMの魅力は圧倒的な攻撃力だ。リーグ戦10得点のレオ・セアラ、同7得点のアンデルソン・ロペス、快速ウインガーのエウベル、19年シーズンのリーグMVP&得点王の仲川輝人、7月のEAFF E-1サッカー選手権でも活躍したクロッサーの水沼宏太とセカンドトップの西村拓真……と攻撃陣のタレントは他チームもうらやむほど。
好調だったウインガーの宮市亮がE-1選手権で全治8カ月の大ケガを負ったのは残念だが、ポルトガル1部モレイレンセから左利きのブラジル人ウインガー、ヤン・マテウスを獲得し、戦力ダウンを回避した。
気になるのは、直近の公式戦で3連敗を喫していること。ルヴァンカップ準々決勝・サンフレッチェ広島戦では2試合とも敗れ、その間に行われたJ1第24節の川崎F戦でも終了間際に決勝ゴールを許し、1-2で落とした。
その要因として考えられるのが、主力6人を送り込んだE-1選手権による疲労の蓄積。先述のルヴァンカップとリーグ戦ではターンオーバーを採用してメンバーを入れ替えたものの、いずれもうまく機能しなかった。
8月13日に予定されていた湘南ベルマーレ戦が台風の影響で中止となったのは、疲労回復という面でチームにとってアドバンテージとなりそうだ。ただし、湘南戦でデビュー予定だったヤン・マテウスは、ACLがぶっつけ本番となる。
4人の新加入選手の活躍に期待が懸かる神戸
鳥栖から今夏、神戸に加入し、右ウイングのポジションをつかんだ飯野(右)。その快速はアジアの舞台でも通用するか 【Photo by Hiroki Watanabe/Getty Images】
6月29日の吉田監督就任後、公式戦4連勝を飾ってトンネルから抜け出したかに見えたが、攻撃をけん引していた武藤の負傷離脱などもあり、その後に公式戦5試合未勝利に陥った。
とはいえ、夏にFWステファン・ムゴシャ、右サイドのスペシャリスト・飯野七聖、元日本代表ボランチの小林祐希、DFマテウス・トゥーレルと、すべてのポジションに実力者を補強してメンバーをテコ入れ。8月13日のJ1第25節の北海道コンサドーレ札幌戦では2-0と快勝しただけでなく、負傷していた武藤も復帰。不調だった大迫の調子も上向くなかで、ACLを迎える。
日本絡みで言えば、タイのBGパトゥム・ユナイテッドにも注目だ。16年のリオ五輪日本代表やベガルタ仙台、V・ファーレン長崎を率いた手倉森誠監督が指揮をとっている。今年1月、シーズン途中での就任となった手倉森監督は3カ月後のACLグループステージに向けて選手の組み合わせや起用法などを入念に準備。全南ドラゴンズ(韓国)、メルボルン・シティ(オーストラリア)と同居したグループGを首位で突破した。Jリーグでもおなじみの堅い守備とサイドアタックを重視したスタイルで、今大会でも旋風を巻き起こすかもしれない。
横浜FMと神戸の日本勢同士がつぶし合うのと同様に、過去のACLでJクラブの前に立ちふさがってきた韓国勢も直接対決となるため、ラウンド16で1チームが敗退する。横浜FMと互角に渡り合った攻撃力がウリの全北現代に対して、浦和との2試合で1-0、0-0の成績を残した守備力が武器の大邱がどう立ち向かうのか。準々決勝、準決勝での日本勢との対戦を見据え、チェックしておきたい。
18、19日のラウンド16が終わると、20日に準々決勝の組み合わせ抽選会が行われ、大会は佳境を迎える。翌23年2月19日と26日に予定されている決勝に進み、西地区の代表とタイトルを争うのは、果たしてどこのチームか。
(編集・企画/YOJI-GEN)