連載:#BAYSTARS - 横浜DeNAベイスターズ連載企画 -

“夏男”DeNA桑原の季節がやってきた! 熱い気持ちと体力で乗り切る夏

前田恵

今年の夏も桑原将志がやってくれる。『YOKOHAMA STAR☆NIGHT 2022 Supported by 横浜銀行』での活躍にも注目だ 【(c)YDB】

 昨季6月~8月に打率.346をマーク。2017年、自身初の月間MVPに輝いたのは7月、そして18年、サイクル安打を達成したのも7月だった。今や、ファンにも「夏といえば桑原」と呼ばれるほどの「夏男」。そんな桑原の活躍が、後半戦のチームのカギを握っていると言っても過言ではないはず。活躍が期待される『YOKOHAMA STAR☆NIGHT』、また夏男の所以、夏の戦い方など、“熱い男”に聞いてみた。(取材日:7月16日)

「夏だから……」は作らず、いつも通り

――桑原選手自身は「夏男」と呼ばれることに関して、正直なところ、どう思っていらっしゃるのでしょうか。

 正直言うと……気持ちよくはないです(苦笑)。なんか、「夏しか仕事していない」みたいな気持ちになって……(笑)。

――とはいえ、多くの選手が疲れを感じ、何かしら問題がにじみ出てきがちな夏の時期、毎年好成績を残している理由に、思い当たる点は?

 自分でも「いつか夏も成績が落ちるときが来るんだろうな」と思いながら、例年プレーしているんですが、今のところ毎年そこそこ頑張れている感じです。おそらく人より体が強いんじゃないかとは思います。高校時代も夏、「暑くてしんどいな」と思うことはあまりなくて、僕の場合、暑くても「今日は暑いなあ」くらいで済んでしまっていましたから。

――それは素晴らしい!

 いや、僕も疲れてはいるんですよ。でも自分で「ああ、俺、疲れてるな」と思い込まないよう、気をつけています。

――トレーニング、体のケア、食生活など、夏場に気を使っていることはありますか?

 特にないですね。生活のリズムを変えることもないし、いつも行っている練習を夏バージョンに変えることもない。すべてにおいて、夏になったからと特別変えることはないですね。僕は私生活をヘタにルーティン化してしまうと、「これをやらなくちゃいけない」と思って、かえってストレスになるんです。だから、自分がやりたいようにしています。もちろん「この時期はこうする、この時期はこうする」と細かく考えていったほうが安心できる人もいるでしょうし、それは人それぞれです。ただ僕は、「自分はそんなふうにできないな」と思いました。

――飲み物なども、特別変わらない?

 夏だからというより、年々炭酸飲料を飲む量は減ってきましたね。時の流れというか……高卒ルーキーで(プロ野球界に)入ってきたてから20代前半までの夏時は、炭酸飲料をガンガン飲んでいました。もう、そういうものは自然と、あまり欲しくなくなりましたね。

夏といえば、練習帰りのジュース!

常に自分のスタイルを貫く桑原選手。少年時代の夏の思い出、夏の日のオフの話についても語ってくれた 【(c)YDB】

――「夏といえば、これを食べたくなる」ものは何かありますか?

 試合前、たまに温かい麺類を食べたくなります。普段は豪快にざるそばをほおばっていますが、内臓を冷やすとよくないというじゃないですか。時々、体が温かいものを欲していると感じます。

――プロ入り前、「夏の思い出」というと、どんなことがありました?

 夏といえば、中学時代を思い出しますね。当時「和泉ボーイズ」というチームに入っていまして、夏休みも朝から晩までずーっと練習でした。記憶が確かなら、火曜と木曜はナイター練習だけなんですが、そのほかの曜日は朝から晩までぶっ通しで練習していました。練習後、家の方向が一緒の同級生と毎日、同じ自動販売機でジュースを買って飲みながら帰った光景が、今も思い浮かびます。自転車をこぎながらジュース飲んでたって、今考えればめっちゃ危ないですけどね。でも、無邪気な頃の思い出です(笑)。

――時が流れて現在、夏のオールスター休みなどは、いつもどんなふうに過ごしていますか?

 練習していないときは、体を休めています。僕、暑いときでも野球をするのは大丈夫なんですが、休みの日に敢えて外に出て汗をかくと、休んだ気がしないんです。だからずっと、家の中では常にリラックスしています。

――オン・オフの切り替えが大切ですね。

 夏を乗り越えるには、それが一番だと思います。

1/2ページ

著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント